2016 Fiscal Year Research-status Report
剛性可変要素と体積可変要素をあわせ持つ柔軟形状ディスプレイの研究
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15K16036
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 俊樹 東京工業大学, 情報理工学院, 助教 (90619785)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 視触覚ディスプレイ / 剛性可変ディスプレイ / 立体形状ディスプレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、形状に柔軟性を有するディスプレ(Shape Changing Display)において、ディスプレイの「形状」に加え、その「剛性」も動的に変化するディスプレイを実現することである。特に本研究は、立体的な形状に変形可能なディスプレイの「体積」の可変要素に着目し、剛性と体積を動的に変化させるディスプレイを用いた新しいユーザとディスプレイが形作る立体形状とのより自然なインタラクション手法の実現を目指すものである。 初年度(昨年度)においては、本研究ではこれまで継続して開発してきた粒子密閉型の剛性可変ディスプレイの内部体積を可変にする新しい粒子運搬機構と、タッチ検出機構の2種類の機構を実現するハードウェアの試作検討を行った。また粒子運搬機構を小型のユニット化し、そのユニットを縦横に並べて構成したフロントプロジェクション式の視触覚ディスプレイを開発し、そのディスプレイを用いたアプリケーションを試作した。 2年目において、本研究では初年度で開発したディスプレイの粒子運搬機構のハードウェアとソフトウェアを改良すると同時に、シリンダ機構による粒子運搬量とディスプレイ表面の実際の形状隆起量との関係性を調べる実験を行った。この実験では、粒子運搬機構ユニット単体およびユニットを複数並べた場合(ユニット7個を最密充填配置した場合)の隆起量について制御量と実際に計測したディスプレイ表面の高さの関係を調べ、またユーザがディスプレイ表面を直接手で触った際に感じる隆起量についても調べる実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度ではディスプレイの体積変化を実現するための粒子運搬機構を提案し、それをユニット化、複数連結して視触覚ディスプレイのプロトタイプを実現した。 2年目においては、当初目標としていた多数のユニットを連結した装置はまだ実装上の技術的問題があり実現できてはいないが、運搬ユニット単体、およびユーザが触って操作を行う視触覚ディスプレイとしての性能評価を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでと引き続き、ディスプレイ表面でより細かい立体形状を表現可能にするために、ユニットの小型化と高密度化を進めていき、新しい入力手法およびアプリケーションの提案を行っていく。本研究の最終目標はユニットを多数並べて複雑な形状を形作ることが可能なディスプレイを実現することであるが、これを実現するためにはさらなるハードウェアの改良が必要である。2年目においても装置の小型化や高速化を行ってきたが、ユニット複数連結時の消費電力の問題等のハードウェア的な問題や、ユーザが接触動作を行った際にパーティクルが隣のユニットに流れる等の提案機構的な問題など、多数連結した場合に発生する問題があり、引き続きこれらを検討し解決していく必要がある。 さらに、ユニットを並べた場合の隣り合うユニット間の関係性を調べる等の実験を行い、最終年度にむけこれまでの成果をまとめ、国内外の会議で発表を行っていく。
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Causes of Carryover |
部材の価格や購入数の変動のため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
プロトタイプシステム改良のための部材費用として用いる。
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