2015 Fiscal Year Research-status Report
自己身体像の動的可塑性に基づく連続的かつ動的な寸法変換誘発手法の提案
Project/Area Number |
15K16038
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古川 正紘 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (40621652)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 臨場感 / バーチャルリアリティ / テレイグジスタンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,体験者自身が自分自身の身体であるという認識である身体像を動的に寸法変換する手法を提案することが目的である.特に「身体構造の一意性」と名づけた体性感覚と視覚との対応に着目することで,バーチャルに自己身体の連続的な寸法変換を誘発すること目指している.その結果,従来の臨場感の伝送技術において課題であった,寸法変換に伴う身体への帰属感,所有感,随意感の喪失という課題の解決が見込まれる.さらに,身体寸法をバーチャルにかつ飛躍的に増大させることができれば,従来操縦が困難とされてきたDrone視点の操縦手法などへの応用が可能となるため工学的価値が期待できる. 平成27年度の研究実施計画は,「身体構造の一意性」仮説の検証のために,身長に対する眼間距離の比率を不変量とした行動観察実験を計画していた.そこで眼間距離可変機構を備え,体験者の頭部運動に追従可能な自由度をもつDroneを開発し機構要素の性能評価を行った.性能評価に伴う評価尺度として,動的な身体寸法変換時に生じうる眼間距離の変更速度を用い,設計要件を満たす設計ならびに実装が実現されたことを確認した.この成果は国内学会にて発表している.一方で行動観察実験のためにはDroneの飛翔安定性を確保することが難しかったため,計画通り代替措置としてシミュレーション環境を用いた実験を行った.特に行動実験の前段階として,主観的な内観報告の観測を行い,要因の絞込みを行った.具体的には,シミュレーション環境内に市街地風景を構築し,体験者の行動に準じた視点位置・眼間距離調整を行い,内観報告を観測した.本成果に関しては平成28年度に継続して実験を行い,要因の抽出を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画で想定された実機を用いた検証における課題を,当初計画どおり代替措置であるシミュレーション実験と並行して実施し要因の抽出を進めているため.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画どおりシミュレーション環境と実機による検証を並行して進めていく.
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