2015 Fiscal Year Research-status Report
ビッグデータを考慮した高速演算型ファジィ推論モデルの構築
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15K16065
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関 宏理 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (10583693)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 計算知能 / ソフトコンピューティング / ファジィシステム / ビッグデータ / 高速演算 |
Outline of Annual Research Achievements |
最初に、対象とするビッグデータとして、医療系と経済系ビッグデータの収集と傾向解析を行った。本研究では膨大な量のデータに対応するためのモデルとして、規則数を大幅に削減することで知られる単一入力結合型ファジィ推論モデル(以後、簡単にSICモデル)を中心に用いる。 SIC推論モデルのルールはは従来法よりも大幅に削減可能であるが、それに伴い得られる推論結果も単調になりやすいことが指摘されている。このことから、様々な関数や演算を用いることが可能な適合度関数型SICモデルが提案されている。本研究では適合度関数型SIC推論モデルが複雑な関数や演算を用いることにより、幅広い推論結果を得ることができることを示した。また、モデルが複雑であったとしても、後件部の重心と面積から簡単に推論結果を導くことができることをも示した。 本モデルを精度よくデータに対応させるため、データの単調性について解析した。その結果、用いるデータに関して、医療系については単調増加性の傾向にあり、経済系については全体としては不規則であることがわかった。 また、通常、ファジィ推論の規則はIf-thenルールで記述されるが、前件部はandで結合される。しかしながら、実際の医師が診断する場合、入力項目を必ずしもandで診断しているとは限らない。このことから、本研究では前件部をorで結合したOR演算型ファジィ推論モデルの提案も行った。また、本提案モデルは、ラフ集合により縮約で得られた規則を用いたファジィ推論モデルと等価な推論結果を得ることが可能であることをも示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ビッグデータの収集と解析が順調に行えた。また、本研究でビッグデータの解析に使用するモデルの提案も行うことができ、計画も順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
ファジィ推論モデルを単調増加傾向にあるビッグデータに精度よく対応させるために、使用するモデルの単調性を証明する。単調性が保障されることで、単調増加傾向にあるビッグデータ解析でも良好な結果が得られることが考えられる。 また、遺伝子データなどは非常に次元数が多いデータとして知られるが、このような高次元データに対応でき、かつ複雑な推論結果を得るために、従来のSICファジィ推論モデルを拡張したモデルを提案する。ファジィ推論モデルの拡張として適合度関数を用いるものが提案されているが、SIC推論モデルでも同様に、適合度関数を適用することにより、規則数が少なく、かつ複雑な推論結果も得られることが期待される。しかしながら、適合度関数を用いたファジィ推論モデルの性質はいまだ完全に解明されていたないため、ビッグデータに対応するために、単調性をはじめとした基礎的性質の解明を行う。
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Causes of Carryover |
2015年度に参加を予定していた国際会議の一つに参加できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度は多数の国内・国際会議に参加を予定しているため、その参加費に充てることを予定している。
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