2015 Fiscal Year Research-status Report
内力アクチュエータを用いた転倒速度抑制によるヒューマノイドの躓きからの転倒回避
Project/Area Number |
15K16069
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅井 文仁 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (30739256)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コントロールモーメントジャイロ / ヒューマノイド / 転倒回避 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ヒューマノイドロボットが躓いた時の転倒速度をコントロールモーメントジャイロ(CMG)を用いて抑制することで,転倒を回避するための足の踏み出し動作を行う時間的な余裕を拡大する.それによって,足の踏み出しによる転倒回避手法の適用範囲拡大を目指す. 平成27年度は,CMGの設計仕様の決定と設計開発を行った.本研究以前に試作していたCMGには高速回転時に振動が発生し,設計仕様通りの出力トルクを発揮できないという問題があった.そこで,CMGのローター部の設計を変更することで,毎分1000回転時における振動を約8分の1以下に低減することが出来た. また,当初計画ではどの方向の転倒に関しても転倒速度を抑制可能とするために,複数台の小型CMGをロボットに搭載する配置を検討していたが,ロボットへの搭載スペースの制約より2軸のジンバルを有するCMGを採用することとし,本年度試作したCMGは2軸のジンバル機構を有したものを設計開発した.これにより,以前試作した1軸ジンバルのみ有するCMGと同等の出力トルクを発揮可能な2軸ジンバルを有するCMGを同程度の搭載スペースに搭載可能とした. また,CMGはジンバルで支持された回転体の向きを変えることでトルクを得ているため,CMGで吸収できる運動量には限界がある.そのため,ヒューマノイドに適用するにあたってはCMGで吸収した運動量を放出する制御戦略が重要となると考えられる.そこで,CMGの制御戦略を検討するためのシミュレータの構築を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度において試作したCMGを実際のロボットに搭載して評価試験を行う予定であったが,CMGの配置に関して複数台の小型CMGを搭載する方針から,2自由度のジンバルを有するCMGを搭載する方向に計画を変更したため,ロボットへの搭載スペースの確保に再考が必要となった. ロボットのCMG搭載予定部にはモータ制御ボード,制御用コンピュータ,水冷冷却システムなどが搭載されており,それらの小型化や移設を行う必要がありロボットへの搭載評価に関してやや遅れが出ている.
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Strategy for Future Research Activity |
CMGのロボットへの搭載スペース確保に関しては,平成27年度中にモータ制御ボード,制御用コンピュータともに小型化の目処が立っており,それらの実装を行うことでCMGをロボットに搭載した状態での試験を行う.平成28年度は27年度に開発したCMGの小型,高出力化を目指してローターの高回転化およびジンバル部の設計改良を行う.また,27年度に開発したシミュレータを用いてCMGの制御戦略の検討を行う.最終的に,躓きからの転倒回避実験を行い,CMGを搭載することでより大きな外乱に対応可能となるかの評価を行う.
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