2015 Fiscal Year Research-status Report
文脈の影響を考慮した脳機能からの感性レベル定量化の研究
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15K16079
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
田中 美里 同志社大学, 研究開発推進機構, 助教 (40735320)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 感性情報 / 持続的注意 / 情動画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,人間の感性情報を脳活動情報から定量化するにあたり,学習や注意などによって生じる脳活動の変動,遷移のメカニズムを明らかにすることである.人が外的な刺激に対して感じる嗜好や快不快などの感性的な反応は,それまでの経験や,人の精神状態,環境の影響(=文脈)などによって変容しやすいため,これらの影響を明らかにすることで,脳活動からの感性情報のデコーディング精度をより向上させることができると考えられる. 本年度は,人間の注意状態が,感性に基づく脳活動に与える影響を検証するための脳機能計測実験を行った.PVT課題によって人間の持続的注意の強さを計測しながら,快不快の刺激画像を呈示し,そのときの脳活動を核磁気共鳴画像法によって計測した. 実験は,被験者が異なる注意状態にあるときの脳活動を計測するために,複数Session,複数Runに渡って行われた.解析では,PVTの課題成績によって,持続的注意の高さを被験者ごとに3段階に分け,該当する各Runにおける快・中性・不快画像刺激に対する脳活動の活性について調査した. 実験結果より,注意のレベルによって快刺激,不快刺激に対する反応が同一被験者でも異なることが示された.被験者の持続的注意力が低下している状況では,特に快刺激に対する脳活動の反応が減弱する傾向が確認された.不快刺激にも同様の減弱傾向は見られたが,快刺激に比べると影響は少なかった.このことから被験者の持続的注意が快・不快反応に影響し,特に快はその影響を受けやすいことが示唆された. 一方で,今回の実験設計においては,注意の測定と刺激呈示がほぼ同時に行われることによる交絡の影響が懸念される.よって,今後は実験手順の見直しを行う.新たな実験設計において十分な被験者数を確保し,統計的解析を行う. 本研究成果については,共同研究先との協議の上,適切なタイミングで研究会・学会等で発表する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定通り,持続的注意が情動に与える影響について脳機能計測実験を終えることができたが,装置の予約と被験者の予定の確保が原因となり,実験の実施予定に遅れが生じていたため,発表にまで至ることができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでの実験に関する結果のまとめと発表を行う.また,実験計画の修正による再実験を行う.このとき,マインドワンダリング状態といった注意が呈示刺激以外へと向けられる精神状態についても考慮した実験計画を検討する予定である. 2年目の学習過程が感性情報に与える影響については,当初の予定通り推進する.
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Causes of Carryover |
生体計測装置のレンタル費用が当初予定したものよりも安価に抑えられたため,その差分が次年度使用額として繰り越された.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
発生した次年度使用額の分,次に予定している実験の回数を増やすことができるため,被験者の謝礼や生体計測装置のレンタル費用へ充当する予定である.
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