2015 Fiscal Year Research-status Report
携帯電話基地局通信履歴を利用した鉄道利用区間の判定
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15K16095
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金杉 洋 東京大学, 地球観測データ統融合連携研究機構, 特任研究員 (00526907)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 鉄道 / 携帯電話基地局通信履歴(CDR) / 交通手段推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はこれまでに入手していた国内(一都六県)のCDRデータと、国土数値情報鉄道データから作成した鉄道ネットワークデータをもとに鉄道利用の有無と利用駅区間の推定を実施した.また対象地域としているトルコ・イスタンブールにおける鉄道路線の形状データをOpen Street Map(OSM)から入手し、鉄道ネットワークデータに変換する処理を試作した. 鉄道ネットワークデータは、OSMデータの路線形状(ライン)に対して、OSM並びに現地路線図を元に駅位置をノードとして与え、路線を各駅で区切ることでネットワークデータの試作が出来ている.都内に比べ路線は簡易な構造となるため入力となる路線形状・駅位置が正確であればネットワークへの変換は比較的容易である. CDRからの鉄道利用の有無の判定では、滞在・移動に区切ったCDRデータの内、移動に分類されるものを利用し、移動中のCDR観測点が鉄道路線沿線に沿って一定距離内に位置するかどうかを最尤推定により判定を試みた.都心部などの路線が複雑かつ密に入り組んだエリアでは判定が困難であるが、郊外路線などでは比較的判定が有効に機能している.駅をノードとしたネットワークデータを整備したため、近接する区間が得られれば利用区間までが得られ、利用区間推定の効率化に繋がる見込みがある.ただし他方で、鉄道路線に沿って道路が並走している可能性もあるため、引き続き細かな検証が必要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度実施予定であった鉄道ネットワークデータの構築は、OSM並びに現地路線図から実現できる目処がつき、データが入手できれば対象エリアの拡大・他地域への転用も期待できる状況となっている. また、CDRからの鉄道利用の判定は国内CDRを対象として予備検討を行った結果、鉄道路線が密でない郊外路線においては比較的有効に機能しており、同様に鉄道路線の密でないイスタンブール地域においても有効に機能することが期待できる.また鉄道ネットワークを、駅間をリンクとなるよう整備したため、鉄道利用の推定結果が次年度実施予定であった直接利用区間推定へ適用できる可能性があり、進捗としてはやや進んでる状況である. 一方で、イスタンブールからのCDRデータ入手が現地の情勢不安定などのため大幅に遅れたことが影響し、イスタンブールにおけるCDRデータでの試行はまだ実現できていない.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度に予定している鉄道利用区間推定については国内データを利用した試行結果を元に、現地データも利用しながら進めていく. また、次年度には開発した推定手法の検証として現地での実証実験を予定しているが、現地の情勢不安定により実施困難な状況となった場合には国内で代替可能な実証実験を検討することとする.
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Research Products
(3 results)