2017 Fiscal Year Research-status Report
教育におけるアドホックネットワークの活用に関する研究
Project/Area Number |
15K16105
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
遠藤 慶一 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 講師 (10467847)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | Bluetooth / アドホックネットワーク / スキャッタネット / タブレット間通信 / 教育支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度に得られた研究成果は以下の通りである. (1) 前年度に開発した,Bluetooth通信により構成されたアドホックネットワークを利用して,グループ学習の成果物を複数のタブレット間で共有するアプリケーションの改良を行った.具体的には,データを当面受信する予定のないタブレットに対するポーリングを抑制することにより,データの送受信にかかる時間を短縮した。また,ネットワークトポロジーの最適化を施すことにより,データの送受信にかかる時間をさらに短縮した.あるタブレットから14台のタブレットに対して画像を送信する実験を行ったところ,送信にかかる時間が従来の約8分の1となった. (2) ICT機器を用いた教育支援の有効性を調べることを目的として,電気回路の性質に関する実験を模擬的に行うことができるタブレット用アプリケーションを開発した.また,アプリケーション使用前後における児童の理解度調査およびアンケートにより,タブレット用アプリケーションによる教育支援の有効性を評価した. (3) 道案内を題材として論理的思考力の育成を行うタブレット用アプリケーションを開発した.このアプリケーションは,地図上に示された目的地に到達する手順を組み立てるもので,近年重要性が指摘されているプログラミング的思考の基礎が身に付くことが期待される.アプリケーションを使用する前と後で,児童に論理的思考力を問う問題を解いてもらうことなどにより,アプリケーションの有効性を評価した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アドホックネットワークを用いたデータの送受信手法を改良することができたことに加えて,前年度の実施状況報告書に記載した「今後の研究の推進方策」の通り,教育現場においてどのような課題があるかについてヒアリング調査を行い,その課題を解決するためのシステムを開発して評価を行うことができたため.
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き,教育現場においてどのような課題があるかについて詳細に調査を行い,その課題を解決するためのシステムを開発して評価を行いたい.また,タブレット等のICT機器を活用した授業を実際に実施することにより,教育効果などの評価を行いたい.
|
Causes of Carryover |
次年度の研究の進捗に合わせて柔軟に研究費を使用できるようにするために,当年度は必要最小限の執行に留めたため.
研究に必要な機器・ソフトウェア等の購入や,成果発表のための旅費などに使用する.
|