2015 Fiscal Year Research-status Report
論理的思考を指向した記述表現力を育む学習支援環境の開発
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15K16109
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
倉山 めぐみ 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 助教 (20710867)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 学習支援システム / 証明問題 / 構造化 / カード選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
本期間に予定していた,1.証明問題の構造による分類とネットワーク化,2.カード選択方式を利用した解決支援システムについて説明する. 1.証明問題の構造による分類とネットワーク化については,三角形の合同条件を利用した証明問題について絞って行い,その結果,合同条件を導くための条件を示すときと,三角形の合同を条件として結論を導き出すときとで,現在の調査では,32個の形が存在することが分かった.この分析結果を利用し,三角形の合同を導き出す構造を中心として,条件もしくは結論が一つ増えるごとに別の証明として扱い,証明の構造をネットワーク化した. 2.カード選択方式を利用した解決支援システムについては,三角形の合同を利用する証明に絞り,システムの設計,実装を行った.システムでは,あらかじめ用意されている問題について,問題の表示,カードの提示を行っており,学習者の解答後,システムが正誤について判断し,学習者にフィードバックしている.システムにおける正誤の判定は,現在のところ,システムが持っている正解となるカードの組合せを利用し,そのチェックを行うことで正誤判定を返している. また,カード選択方式を利用した解決支援システムを用いて,高専生を対象に利用実験を行った.実験については,短時間による実験であったため,学習者の知識の変化や学習効果について良い結果を得ることはできなかったが,学習の1つとして利用できるのではないかと考えられるものを得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画をしていた,1.証明問題の構造による分類とネットワーク化と2.カード選択方式を利用した解決支援システムについて実施することができていることから,研究が順調に進展していると言える. また,高専生を対象とした利用実験を行ったが,十分な実験ができたとは言えないため,本年度も再度実験を行う必要があることから,計画以上に進展しているとは言い難い.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度以降の研究においては,1.支援システム利用のためのシステム検証と実践的利用,2.カード選択方式を利用した解決支援システムの拡張を中心に行っていく予定である. 1.支援システム利用のためのシステム検証と実践的利用では,すでに開発されているシステムを利用して,まずは高専生を対象として,学習効果が得られる支援システムになっているかを検証する.その後,中学生に対象範囲を広げ,学習ができるシステムであるかの検証を続ける.中学生における検証では,協力いただける中学校を探し,実際の授業の中でシステムを利用する場合の授業についても調査していく予定である. 2.カード選択方式を利用した解決支援システムの拡張では,現在,三角形の合同についてのみ行っているので,他の図形の証明問題についても利用できるように証明の構造化とシステムへの組み込みを行っていく予定である.また,現状のシステムについても,証明の構造を利用し,カードの生成,学習者の解答した証明の自動診断が行えるようにシステムをさらに修正していく予定である.
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