2018 Fiscal Year Research-status Report
化学輸送・気象カップルモデル開発とオゾン・PM2.5生成への影響評価と実態解明
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15K16116
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原 由香里 九州大学, 応用力学研究所, 助教 (30462493)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 東アジア / エアロゾル / ダスト / 混合 / 気象ーエアロゾルカップルモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
東アジアは様々な人為起源・自然起源のガス・エアロゾルの排出源が存在し、その混合状態は非常に複雑であることが知られている。エアロゾル種毎の混合状態・および、鉛直プロファイルの実態はよく知られていない。それは今日までエアロゾル種毎の鉛直プロファイルを観測として捉えるのが技術的に困難であったためである。数値モデルの精度検証のため、エアロゾルの混合状態・および鉛直プロファイルの実態を長期的に把握することは非常に重要である。本研究では、散乱性エアロゾル・煤・黄砂・海塩粒子の4タイプを識別できる多波長ミー・ラマン散乱ライダーの長期観測結果を使用し、福岡におけるエアロゾル種の混合状態と鉛直プロファイルの季節毎の実態把握を行った。 その結果、福岡におけるエアロゾルの季節変動には自然起源エアロゾルによる内部混合と、親水性エアロゾルの吸湿成長が重要な微物理過程であることが明らかとなった。具体的に煤については、煤と親水性エアロゾルの内部混合状態を表すCore-Gray-Shell Modelを使用しなければ、この地域の煤の光学特性が表現されないことが明らかとなり、相対湿度の再現性もCore-Gray-Shell Modelを使用する上で非常に重要である事が明らかとなった。また、黄砂と親水性エアロゾルの内部混合も観測され、そのような混合状態のエアロゾルの表現が排出源の風下域では重要となっている事が明らかとなった。今後は観測されたエアロゾルの混合状態及び鉛直分布の季節変動の実態を踏まえ、開発中の数値モデルの検証を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度開始3ヶ月後から一年の育児休業へと入ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
気象モデルー化学輸送モデルのオンライン実験を進め、地上ミー・ラマンライダーによるエアロゾル成分の鉛直分布の精度検証を行う。
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Causes of Carryover |
出産に伴う産休・育休取得のため。
研究再開後、学会参加費及び、論文発表の費用として使用予定である。
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