2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a process for chalcogen recovery from semiconductor waste materials utilizing microbial activity
Project/Area Number |
15K16145
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒田 真史 大阪大学, 工学研究科, 助教 (20511786)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | カルコゲン / セレン / テルル / バイオボラタリゼーション / 資源回収 |
Outline of Annual Research Achievements |
セレンを活発に揮発化する細菌Pseudomonas stutzeri NT-Iによるテルル(Te)の揮発化能力の評価に注力した。リアクターを用いて好気的にNT-I株を培養し、液相から固相・気相へのTeの移動を経時的に定量した。1 L容ジャーファーメンターに0.1 mMのTeO32-(Te(IV))を含むTSB培地を添加した。NT-I株の前培養液をOD600が0.02となるように懸濁し、好気的に培養した(28°C、撹拌速度;250 rpm、通気量;1 L/min)。揮発性Te化合物を捕集するため、リアクターからの排気を300 mL容ガス洗浄瓶に分注した150 mLの濃硝酸に通気した。ガス洗浄瓶とジャーファーメンターはPTFEチューブで接続した。誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES)を用いて、液相、固相、および濃硝酸中のTe量を測定した。また、対照系として無菌条件で同様に運転した。 その結果、培養時間12時間以降に固相Te量が減少し、気相から濃硝酸中に回収されたTe量が増加した。これより、NT-I株がTe(IV)をTe0にまで還元し、その後、さらに揮発性Teに変換する能力を有することが示唆された。また、168時間培養後に濃硝酸中に回収されたTe量は35 μmolであり、これは、初期Te添加量の57%に相当した。なお、対照系である無菌条件ではTeの変化が生じなかったことから、Te(IV)の還元および揮発化はNT-I株によって生じたことが確認された。これまでに報告されているTe揮発化微生物の中で最も優れたものでも、初期Te(IV)添加量に対して数%程度しか揮発化しておらず、今回確認されたNT-I株によるTeの揮発化能力は極めて優れたものであると言える。
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