2016 Fiscal Year Research-status Report
将来の埋立廃棄物の変質を見据えた最終処分場における埋立廃棄物の安定化評価
Project/Area Number |
15K16149
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
磯部 友護 埼玉県環境科学国際センター, 資源循環・廃棄物担当, 専門研究員 (50415387)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 埋立地の安定化 / 廃棄物 / モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、現在~将来の廃棄物における埋立地内での安定化を把握し、その評価・予測方法を確立することを目的とし、埼玉県内の複数の埋立地において、内部の水質やガス組成、温度などのモニタリングと、比抵抗探査といった物理探査による非破壊モニタリングを行う。本年度は埋立物が異なる埼玉県内の3カ所の埋立地(A~C)を対象とし、埋立物が明らかな区域を埋立セルと設定した。それぞれの埋立セルにモニタリング用の各種設備を設置し、内部温度や内部ガスのモニタリングを開始した。また、埋立地Aでは比抵抗探査によるモニタリングを行った。 モニタリングの結果、以下のことが明らかになった。 ・埋設センサー及び観測井を用いたモニタリングにより、時間経過に伴う内部温度の低下、電気伝導率、水素ガス濃度の低下が見られ、埋立地内部の質的変化が確認された。また、電気伝導率、及び内部ガス(メタン、水素、一酸化炭素)濃度は焼却残渣と不燃残さの混合割合の影響を受けていることが確認された。 ・比抵抗探査モニタリングにより、時間変化及び降雨イベントに伴う埋立地A内部の低比抵抗領域の変化を可視化することができた。 これらの結果より、時間経過及び埋立廃棄物の相違に伴う埋立地内部の変質状況を把握することができる可能性が示された。今後はさらなるモニタリングの継続により、埋立地の安定化状況の評価を行っていく必要がある。また、一部のセンサーは設置不具合及び埋立管理上の不具合により十分なモニタリングデータが得られていないため、センサーの追加設置を行い、モニタリングを継続していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度にモニタリングを開始する予定であったが、対象とした埋立地において想定以上に廃棄物埋立量の低下が著しく、埋立セルの設定が平成28年度にずれ込んだ。しかしながら、平成28年度はA埋立地における埋立管理記録の精査を行うことにより、平成27年度、28年度に埋立が終了したそれぞれのエリアにおいて、焼却残渣の埋立割合が異なる複数のセルの設定が可能となった。このため、モニタリングは平成28年度第二四半期からので開始となったが、当初の研究計画に対応できるデータ取得体制を構築することができたことから、平成27年度に生じた遅延は解消できたと考えている。 また、研究者が関与することができない埋立地の管理上の問題から、通常の維持管理状態とは異なる状況(埋立地内の一部冠水)が生じ、当初計画していた通常の季節変動に伴うモニタリングデータの取得ができないという事象が発生した。しかしながら、通常では調査できない特殊な状況でのモニタリングデータを取得することができており、研究計画に大きな影響を与えるものではないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
センサー等のモニタリング設備の設置において一部で不具合が生じ、満足するデータが取得できていないため、平成29年度第一四半期にセンサーの追加設置を行い、モニタリングの精緻化を図る。 平成28、29年度に取得したモニタリングデータを用い安定化の評価を行う。
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Causes of Carryover |
対象埋立地の一部で埋立管理上の問題により冠水が生じ埋立地への入場が制限されたことにより、モニタリング回数を減らさざるを得なくなった。そのため、サンプリングに使用する調査器具、分析用試薬等の購入量が当初計画よりも少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に埋立地に設置したセンサー等のモニタリング設備において、不具合等により一部でデータが十分に取得できていないことが確認されたことから、平成29年度第一四半期に追加設置するセンサー等の物品費の購入に使用する計画である。
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