2016 Fiscal Year Research-status Report
応用一般均衡モデルを基礎とした気候変動・エネルギー問題の安全保障の観点からの評価
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15K16161
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松本 健一 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (00534570)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エネルギー安全保障 / 気候安全保障 / 応用一般均衡モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、気候変動・エネルギー問題を安全保障の枠組みで捉え直し、気候変動緩和策と気候・エネルギー安全保障の関係を「世界全体を対象とした動学的応用一般均衡(CGE)モデル」を核とした手法により定量評価することである。 平成28年度は、平成27年度の研究を踏まえてエネルギー安全保障の分析を深化し、気候安全保障の概念整理を行った。 まず、平成27年度から開始したCGEモデルの開発を進めた。そして、CGEモデルを用いた分析を開始した。次に、日本およびEUを対象としたエネルギー安全保障の分析を行った。これらの分析結果については、論文出版や国際会議での報告など一定の成果を得た。なお、EUを対象とした分析は、英国・ギリシャの研究協力者との国際共同研究である。 日本を対象としたシナリオ分析は、国際会議(9th International Scientific Conference on Energy and Climate Change・開催地:ギリシャ・アテネ)での発表をした上で、査読付き英文誌(Euro-Asian Journal of Sustainable Energy Development Policy)にアクセプトされた(近日中に出版予定である)。また、平成29年度に開催される国際会議(開催地:ギリシャ・アテネ)でも報告を予定している(論文はアクセプトされている)。 EUを対象とした分析は、国際会議(11th Conference on Sustainable Development of Energy, Water, and Environment Systems・開催地:ポルトガル・リスボン)でポスター発表をした。本報告は、同学会において、Best Poster Awardを受賞した。また、同報告に基づく研究成果は、現在、英文誌に投稿中である。 気候安全保障の概念整理については、文献を中心に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した平成28年度計画のうち、気候安全保障の分析については概念整理に時間を要しているため、予定していた気候変動影響のモジュールのモデルへの組み込みには至っていない。一方で、エネルギー安全保障の分析については、研究協力者との協力のもと、申請書以上に深化した意義深い研究を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、研究計画に基づき気候安全保障の分析に特に力をいれる。また、エネルギー安全保障の分析は国際的にも評価されている部分もあるため、その点にも力をいれて研究を進める
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Causes of Carryover |
国際会議参加のための旅費を他業務との関係で、別予算から執行することが可能となったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
資料・データの購入、学会や調査出張の旅費、また積極的に英文誌に投稿するために英文校閲に利用する予定である。
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Remarks |
研究室のウェブサイトは日英語で作成
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