2016 Fiscal Year Research-status Report
フィリピンのE-wasteインフォーマルリサイクルの適正化方策による環境改善効果
Project/Area Number |
15K16165
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
吉田 綾 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 主任研究員 (10442691)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | E-waste / インフォーマルリサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度は国際NGOのプロジェクトの進行状況、今後の活動展望について、プログラムコーディネーターからヒアリングを行うと共に、研究対象地域の住民組織のリーダーおよび住民(解体作業者)と周辺のジャンクショップをインタビュー調査した。解体作業者21名およびフィリピン大学ディリマンキャンパス内の住民20名から生体試料(毛髪、尿、血液)のサンプリングを行った。インタビュー調査から、NGOのプログラムの実施により、健康意識・E-wasteリサイクルのリスク認知がより高まったこと、コミュニティの組織化・連帯意識が強まったことが分かった。一方で、作業の効率性を優先させるため、防護用に配布された手袋・めがね・マスクの着用率、特にめがねとマスクの着用率が依然低いことが分かった。銅などの資源価格下落により収入が激減し、生活維持が困難になっていることから、より収入のよい仕事があれば転職する意志が高まったこと、同じ仕事内容でも雇われて安定した給料をもらえる方がよいと考える人が多くなっていることが分かった。バランガイ(地元政府)によりブラウン管の破砕が禁止されたため、ガラスを破砕する行為が少なくなったが、行政によるブラウン管の回収が行われていないため、ブラウン管の保管場所や処分が問題となっていること、NGOのプログラムが実施されていない地域の住民によるブラウン管破砕は行われていること等の課題が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016年フィリピン大統領選挙やNGOのプログラム担当者の交代等の影響により、調査スケジュールに遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
追加の現地調査およびアンケート調査の準備・実施を早急に進めていく。
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Causes of Carryover |
現地調査、学会発表のスケジュールが遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
使用計画に基づいて、現地調査の旅費および調査実費、学会発表・論文掲載のための費用に使用していく。
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Research Products
(1 results)