2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development and verification of interactive flood hazard map
Project/Area Number |
15K16171
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
齋藤 美絵子 岡山県立大学, デザイン学部, 准教授 (30326417)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 防災意識 / 避難所設備 / Augmented Reality |
Outline of Annual Research Achievements |
ハザードマップには、訓練の実施に関する事項や緊急時・平常時の心構え等の学習を目的とする部分があり、被災後の状況を想定することやそこでとるべき行動について学習する際のインタラクティブ機能の効果を検証する必要があるため、現状の課題を整理しインタラクティブ機能による補完や改善の余地を探った。 被災後に想定される環境のひとつとして、避難所についての理解や備えを対象とし、先行研究から次の3点を問題とした。1つ目は、若年層の避難所運営に関する意欲が低いこと、2つ目は、避難所設備の存在や使い方が知られていないこと、3つ目は、避難所での課題を具体的にイメージできない参加者がいることである。 これらの問題を解決するために、ヴァーチャルリアリティの一つであるAugmented Reality(以下、AR)によって補完できるのではないかと考えた。特に、避難所運営時に使用する可能性が高く、平常時にはあまり目にすることのできないものである避難所設備(仮設トイレやかまどなど)をARによって可視化し、ARアプリによる情報提供と写真による情報提供の効果を比較した。 その結果、ARアプリでは、そのインタラクティブ機能により「情報を読み取る気持ちになる」という積極性に対する効果が高いことが明らかとなった。また、「普段から災害に備える気持ちになったか」という問いに対する評価も高く、防災意識の向上にも効果があり、さらに「災害時の自身の行動を考える」「災害に対する現実感が変化した」といったリアリティの向上にも効果があった。これらは全て統計的な有位性が確認されている。 以上の結果より、避難所設備をARによって可視化し情報提供をすることは、 若者の防災意識や、緊急時に使用する設備に基づいたリアリティの向上には効果があることが明らかとなった。
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