2017 Fiscal Year Research-status Report
夫婦の相互作用と生活家事遂行の過程の理解:個別具体的プロセスの記述に基づいた検討
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15K16176
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
滑田 明暢 滋賀大学, 国際センター, 特任講師 (00706674)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生活家事 / 夫婦の相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の全体的な構想は、夫婦の相互作用が生活家事(就労による家計への貢献や家事、育児、介護など、生活に必要となる仕事)の遂行にどのような影響を与えているのかを検討し、夫婦それぞれの生活家事への参加を促しているものと妨げているものを明らかにすることである。そのため、本研究の具体的な目的は、1、生活家事の遂行における夫婦の相互作用のプロセスを記述するとともに、2、夫婦の相互作用が生活家事の遂行に与える影響を検討することである。当該年度では、これまでのインタビュー調査結果の検討と、結果をより洗練された形で整理し位置づけるため、そして新たな調査をより精度の高いものとするための知見収集を行った。 生活家事の遂行における相互作用には、直接的に、言葉を介して考えを伝え合うやりとりと、間接的に、直接言葉を用いずに行うやりとりがある。インタビューの結果をみると、それらのやりとりは、それぞれに時間を経て、互いに反応し合うと考えられる。直接的に意図を伝えた場合にも、すぐに意図した通りに状況が動くとは限らない。例えば、夫婦の一方が、家事をこう実施してほしい、と伝えることで、もう一方の配偶者がすぐに家事を実施するというわけではない。しかし、そうしたやりとりから時間を経て、何らかの動きがあるという場合がある。また、その何らかの動きは、最初に気持ちを伝えた一方の配偶者の目に留まることで、その配偶者は家事に対する認識を振り返り、その認識が変わることがある。今後、さらに相互作用についての研究結果と知見を精査していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初は、年度末にはインタビュー調査および質問紙調査をもとにした成果が整理され、公表されている計画であったが、いまだ完遂するまでには至っていない。どのように結果を整理するのか、どのように結果を位置づけるのか、という点に関して時間を要していることが、主な理由の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
必要なインタビュー調査と質問紙調査を実施し、引き続き研究結果の整理と検討を続けていく。
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Causes of Carryover |
当初に計画していた調査と結果の公表を完遂していないことがその理由である。
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