2017 Fiscal Year Annual Research Report
The association of food environment and walkable neighborhood with health indicators
Project/Area Number |
15K16181
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
山口 美輪 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 研究員 (20721674)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 食料品アクセス / 高齢者 / 野菜・果物摂取頻度 / 肉・魚摂取頻度 / 地理情報システム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度、28年度では、農村部と郊外の地域住民に対して食料品アクセスや食生活について調査を行った。回収したデータを使って分析したところ、農村部の男性において、買い物の苦労がある者は、買い物苦労がない者と比較して1日の低脂質、高炭水化物の栄養素エネルギー比であったことが明らかになった。 平成29年度は、27-28年度に実施した研究結果の報告のために論文作成、学会発表を行った。最終年度の研究については、以下のような内容を主に行った。老年学的大規模コホート研究のデータを用いて地理情報システムから食料品アクセスの距離を推定した。居住する特定の区域が食料品店までの推定距離が1km以上であると食料品アクセスが悪いと定義し、高齢者における地域レベルの地理的な食料品アクセスと個人の野菜・果物と肉・魚の摂取頻度との関連をマルチレベルで分析した。分析は、都心部/郊外と農村地域に分けてそれぞれ分析を行った。その結果、食料品アクセスが悪い区域に住む住民は、食料品アクセスが良い区域に住む住民に比べて野菜・果物摂取頻度が高いことが分かった。この結果から、食料品アクセスの良い区域に住む住民は、食料品店の便利なテイクアウトを頻繁に利用できることや、好みの食料品を頻繁に購入できる環境にあることから、野菜・果物摂取頻度が食料品アクセスの悪い区域に住む住民に比べて低いと考えられる。 これまでの研究より、主観的な食料品アクセスはより個人の社会経済的、身体的背景を基にした食生活との関連がみられ、必ずしも地理的な食料品アクセスと食生活との関連の方向性は一致しないことがわかった。
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