2016 Fiscal Year Research-status Report
住宅ストックの活用に向けた大阪長屋によるつながりを育む賃貸居住モデルの構築
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15K16184
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
竹内 志保子 (小池志保子) 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (10433294)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 大阪長屋 / リノベーション / 住生活 / 空間利用 / 耐震補強 / 住民ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
明治末期から昭和戦前期にかけて、大阪では長屋が数多く建設された。際立った比率で建設された長屋は、かつての大阪の住文化を象徴するものである。しかし、近年では老朽化や空き家といった問題から長屋の取り壊しが相次いでいる。1993年には63,600戸あった戦前長屋は、2013年には9,600戸まで減少し、解体のスピードは留まるところを知らない。 本研究では、近年に大阪型近代長屋に入居した事例において、改修された長屋が現代の多様なライフスタイルに対応していることを明らかにすることで、長屋を住まいとして保全・活用するために役立てることを目的としている。 調査対象は、大阪市内にある戦前に建設された長屋とそこに2005年以降に入居した20~40代(調査時)の住人である。2015年度から2016年度にかけて18事例の住居の調査を実施した。調査方法は、実地調査で、長屋の入居者に対する詳細なヒアリング調査、間取りの採取、及び写真撮影である。 これらの調査を通して、近年の新規入居者を対象として大阪型近代長屋の平面構成と空間活用について考察をしてきた。住利用のために近年改修された大阪型近代長屋は、広い土間のある平面構成や小間が連続する平面構成が活かされ、様々な仕事や活動をする新規入居者のライフスタイルに対応していることが明らかになりつつある。 これらの研究成果の一部を、大阪長屋の活用の事例を記録するためのアーカイブとして公開する準備も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に引き続き、平成28年度も調査を継続して実施し、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、これまでの調査結果をまとめるともに、これらの研究成果の一部を、大阪長屋の活用の事例を記録するためのアーカイブとして公開する。
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Causes of Carryover |
当該未使用額は補助事業を誠実に遂行した結果生じたものであり、当初計画より経費の節約ができたことによるものです。次年度に使用することによって、より研究が進展することが見込まれます。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は最終年度のため、これまでの成果をまとめ発表します。その際の費用として使用します。
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