2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K16191
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| Research Institution | Miyagi University |
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Principal Investigator |
君塚 道史 宮城大学, 食産業学部, 准教授 (90553446)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 氷結晶 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
食品の冷凍保存時に生じる氷結晶の粗大化を抑制する事は品質を維持する上で重要な課題である。よって、保存時の温度履歴や増粘多糖類等の添加など、これまでにも様々な側面から改善が成されてきた。しかしながら、その制御は未だ困難であり、学術的に見ても不明な点が多く残されている。具体的には、水溶液であれば溶質の種類，さらには水に不溶な微粒子の存在が粗大化におよぼす影響。また、保存時における凍結濃縮相の状態や濃度分布が不明などの点が挙げられる。本研究ではこれらを明らかにする事で、氷結晶の粗大化に対し新たな解決手段を提案する事が最終的な目標となる。H27度は主に食品素材として取扱いが可能なシリカ粒子やセルロースを用い、これらをスクロース水溶液に縣濁した際の再結晶化速度を計測した。その結果、①特定のシリカ粒子やセルロースを縣濁させると、再結晶化速度は明らかに低下した。これは食品添加物（増粘多糖類）であるキサンタンガムやローカストビーンガムを同量添加した場合と比べても低い値であった。この事から、非水溶性の微粒子を添加した場合であっても、氷結晶の粗大化は抑制可能である事が明らかとなった。②再結晶化速度が低下したシリカやセルロースの粒径や形状と粗大化抑制の傾向に明確な関連性は見られなかった。③再結晶化速度が低下したシリカやセルロースの縣濁液について熱分析（DSC測定）を行った所、融点や凍結濃縮相のガラス転移温度は非縣濁のスクロース水溶液と同等であった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
氷結晶の粗大化抑制に対し、これまでに研究対象となってはいない非水溶性の微粒子に着目し、その効果を計画通りに明らかにする事が出来た。しかしながら、これと平行して検討予定であった凍結濃縮相の状態観察については殆ど未着手となった。よって、研究全体の進捗状況としては概ね順調に進捗していると言える。
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| Strategy for Future Research Activity |
スクロース水溶液および微粒子（シリカ、セルロース）を添加したスクロース水溶液等を用い、種々の冷却履歴で生じた濃縮相の状態について観察する。これにより、微粒子が粗大化を抑制する要因について、その詳細を明らかにする。
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| Causes of Carryover |
本年度予定していた凍結濃縮相の観察が未着手の為、これに用いる物品費に差額が生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初予定通り、凍結濃縮相の観察に差額分を使用する予定。
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