2017 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation on bitter-supressing reagents using a novel bitter sensor
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15K16192
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
永井 俊匡 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 准教授 (50451844)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 味覚受容体 / Gタンパク質共役型受容体 / セルベースアッセイ |
Outline of Annual Research Achievements |
〈目的〉苦味抑制物質探索を高効率に行うための苦味センサーとして、カルシウムイメージング法があるが、この方法は高価な機器を必要とする。そこで本研究は、吸光プレートリーダーで測定可能で安価な苦味センサーの構築を試みた。これまでに、ヒト苦味受容体hTAS2R16のリガンドであるSalicinに対する応答の検出に成功しているが、その応答は微弱であった。その原因として、これまでカルシウムシグナルを引き起こすGタンパク質G16を基としたキメラ(G16gust44)を使用していたが、下流へのシグナルが十分機能していない可能性が考えられた。そこで本研究では、別のGタンパク質(Gq)を用いたキメラを作製し、試験した。 〈方法〉Gqタンパク質のうち、受容体との結合に関与するC末端6アミノ酸を、他のGタンパク質に置換したキメラ(Gq/s、Gq/o、Gq/i1、Gq/i3、Gq/z)、およびG16、Gq発現ベクターを新たに構築した。さらにG16のC末端44アミノ酸をGzに置換したG16/z44を加えた計8種のGタンパク質を、hTAS2R16とともにHEK293T細胞にトランスフェクトし、Salicinに対する応答を比較した。 〈結果と考察〉試験した全てのGタンパク質で、G16gust44の50%以下の応答しか検出されなかった。したがって、現段階ではG16gust44が苦味センサーとして最も有用であることが示された。一方、細胞に内在しているアドレナリン受容体については、G16gust44の場合の1.5倍以上もの応答が、G16、Gq/o、Gq/i1で検出された。このことより、受容体の違いによるGタンパク質のカップリング効率の差も検出することができたと考えられる。
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