2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K16198
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Research Institution | Tezukayama Gakuin University |
Principal Investigator |
田中 仁 帝塚山学院大学, 人間科学部, 助教 (60623030)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 半固形化剤 / 血糖値 |
Outline of Annual Research Achievements |
半固形化剤の主成分は食物繊維であり、食物繊維の継続的な摂取による有効性については多数の報告があるものの、これらを半固形化剤として利用した際の効果についてはほとんど検討されていない。半固形化剤の使用によって、胃瘻からの栄養剤投与の際の液漏れ防止に有効であることが報告されているが、基礎的な研究報告は認められない。 そこで、半固形化剤として利用した複数の水溶性食物繊維のうち、キサンタンガムのみで血糖上昇を抑制することを見出したことをきっかけに、その有効性について更なる知見を深めることを目的として本研究を進めている。 現在、血糖値関連ホルモンである血中インスリン濃度およびインクレチン濃度について測定を終えた。また、日本人の糖尿病型(インスリン分泌不全型)モデル動物であるGKラットを用いた同様の実験においても血糖上昇抑制効果が認められたことから、正常状態のみならず糖尿病状態においてもキサンタンガムが血糖コントロールに有効である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究結果等は順調に得られているが、前年度からの業務の増加に伴って本研究におけるエフォートが低下してしまったため、進行はやや遅れ気味である。また倫理委員会などの関係で、キサンタンガムを調理へと応用し、その有効性を調べるまでには至っていない。 しかしながら、当初の予定であった血中ホルモン濃度や糖尿病モデル動物を用いた実験等については既に実験を終え、ほぼ予測通りの結果を得られているためやや遅れているとしたが、今後も計画に沿って進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、動物実験で血糖関連に及ぼすホルモンの測定において未測定のものがあるため、まずはそれを測定していく予定である。また肥満は、糖尿病とは切り離して考えることのできない症状であるため、その肥満状態である慢性炎症と糖尿病との関連についても、時間が許す限り検討していくつもりである。 また、既に行った実験結果より、ペクチンやタマリンドガムといったキサンタンガム以外の水溶性食物繊維では血糖上昇抑制効果が認められなかったことについて、キサンタンガム特有の物性などの関与が示唆されることから、他の食物繊維との相違点と有効性の相関性を見出していく予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度の夏以降に業務が増加し、順調とはいえ実験計画通りにすすめることができずエフォートが低下してしまい、前年度に提出した科学研究費助成事業支払請求書(様式F-2)で訂正したとおりの使用に留まった。本来必要だと計上していた実験試薬等を購入するに至らなかったこと、外部に検査依頼する予定の検査項目に関してもサンプルの準備が間に合わなかったことから、前年度の物品費が本来の額を大きく下回る形になった。 さらに、それに伴って本来参加予定だった学会へも演題登録が間に合わなかったため、旅費も計上していた分よりもかなり少なくなってしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
もともと計上していた分の実験は、当初の予定通り進める予定であるため、前年度計上した物品費はすべて消費する予定である。また今年度に関しては、調理への応用が計画通り進まない可能性も考慮して、他の方向で研究を進めて本研究の有用性を示していく予定であるため、同様に物品費に差額は生じない予定である。 旅費に関しては、学会参加を積極的に行うのはもちろんのこと、結果次第では国際学会および国際誌への投稿も視野に入れているため、前年度の余剰分はそちらで相殺されることになる予定である。
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Research Products
(1 results)