2015 Fiscal Year Research-status Report
なぜ日本食パターンが健康寿命を延伸させうるのか:大規模疫学研究による検証
Project/Area Number |
15K16201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠又 靖丈 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50706968)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本食 / 健康寿命 / 食事パターン / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本食の定義を再確認した上で、日本食が健康寿命の延伸に寄与しうるメカニズムを解明するとともに、健康寿命の延伸にむけた日本食の改善点を検証することである。そのために、第1に日本食パターンと要介護・死亡の原因疾患との関連をコホート研究で分析し、第2に日本食インデックススコアと食物・栄養素の摂取状況との関連を分析することを計画した。本研究課題に関するデータセットを構築するために、2015年度には下記の2つを実施した。 1)日本食パターンと要介護発生・死亡(原因疾患別)の関連を検討できるよう、宮城県大崎市で実施している2種類のコホート研究「大崎コホート2006研究」・「大崎国保コホート研究」の追跡データを整備した。統計法に基づいて人口動態統計の閲覧を申請し、2014年3月までのデータを入手することができた。これにより、「大崎コホート2006研究」(約4万9千人。うち65歳以上の高齢者は約2万3千人)で7年間、「大崎国保コホート研究」(約5万2千人)で19年間の死因別死亡のデータを整備した。 2)日本食インデックススコアの一般化可能性および妥当性を検討するために、仙台市宮城野区鶴ヶ谷地区で実施した「鶴ヶ谷プロジェクト」の参加者(約1千人の70歳以上高齢者)の食品群別摂取量の換算値データから、日本食インデックススコアを算出しているところである。同時に栄養素等摂取量の換算値から栄養バランス指標との相関を検討するための解析データの整備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、2016年度に目的に挙げた2種類の分析を行えるよう、データの構築作業を実施できた。以上のように、おおむね予定通り順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
整備された研究データを活用し、日本食が健康寿命の延伸に寄与しうるメカニズムを検討するための解析を実施する予定である。また当初の計画に加え栄養バランス指標のデータを準備しており、日本食インデックススコア(日本食の度合い)が高くなるほど総合的に栄養バランスが良くなるかも併せて検討していく予定である。これらの解析で得られた研究成果に基づき、学会発表や論文執筆を順次実施する予定である。
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