2015 Fiscal Year Research-status Report
リフィーディングシンドロームの栄養療法開発を目指した発症機構の解明
Project/Area Number |
15K16214
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
田中 更沙 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (90733387)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | リフィーディングシンドローム / 低リン血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床の場での栄養管理にかかわる大きな問題の1つにリフィーディングシンドロームがある。これはガンや感染、消化器疾患やその手術などで長期かつ高度のエネルギー摂取不足である患者に輸液を含む栄養を再摂食(リフィーディング)させたときに発生する重篤な病態である。しかし、その予防と治療の基礎となるリフィーディングシンドローム発症の分子機構は明らかでない。そのため有効な治療法も確立されていない。そこで本研究ではその発症機構を解明するため、リフィーディングシンドロームモデル動物を作製し、予防・治療を目指した栄養療法の開発を目的としている。昨年度、モデル動物の作製のため動物にカテーテル留置手術を施し、中心静脈栄養法を用い急速かつ十分量の栄養を投与しリフィーディングシンドロームを誘発した。その際、低リン血症傾向は認められたが、顕著な低リン血症は認められず、確固たるモデル動物の作製には至っていない。しかしながら、リフィーディングシンドローム誘発時のリンおよび糖代謝変動解析は進んでおり、その結果よりモデル動物作製に向けた手掛かりをつかんでいる。現在、顕著な低リン血症を示すモデル動物の作製に取り組んでいる。さらに、リフィード時におけるリン・糖代謝に関連するホルモンやトランスポーター発現を解析を行い、糖代謝とリン代謝の相互作用について検討した。今後モデル動物を作製し、その発症機構の解明および予防・治療法の開発を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度にリフィーディングシンドロームモデル動物を作製予定であったが、確固たるモデルの作製には至っていない。しかしながら、モデル動物作成に向けた手掛かりは得られており、平成28年度中に作製が可能であると考えている。リフィーディングシンドローム発症時のリン代謝変動解析および発症機構の解明については、実験機器、手法共に整っており、解析可能であるため、遅れを取り戻せると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
リフィーディングシンドロームの発症機構の解明のため、モデル動物を作製しリン・糖代謝の相互作用に着目し、発症機構の解明および予防・治療法の開発をめざす。
|
Causes of Carryover |
リフィーディングシンドロームモデル動物が未作製であり、研究計画がやや遅れているため次年度使用額が生じている。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験動物、疾患モデル動物、動物実験に用いる機器、消耗品費および情報収集、成果発表のための旅費の使用を計画している。特にモデル動物の作製および代謝解析のために代謝ゲージなどが必要になること、また疾患モデル動物は高額であり経費が掛かることが予想される。次年度の予算と繰越金をあわせて、研究の発展へ向け有効に活用する予定である。
|
Research Products
(2 results)