2016 Fiscal Year Research-status Report
女性のライフステージ別口腔細菌叢の状況と生活背景に関する研究
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15K16235
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
矢澤 彩香 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 准教授 (60340197)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯周病 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は、歯を失う原因となるだけでなく、さまざまな全身疾患との関連性が明らかにされており、予防の重要性が指摘されている。歯周病は主に成人で発症するため,まだ歯周状態に悪化が見られない小児期には,歯周病原細菌はあまり検出されないと考えられている。歯周病原細菌の感染が成立するのが出生後のどの時期であるのかについてはまだ明らかにされていないが,歯周病原細菌が比較的早い時期に親から子供へ感染する可能性も報告されている。しかし,このような垂直感染について,感染時期や感染の様式,感染の条件などの詳細については未だ不明な点が多い。また,女性においては女性ホルモンの変化により,口腔内衛生状況が悪化しやすいことが知られている。これらのことから本研究では、近い将来,妊娠・出産・育児の機会を迎える時期の女性,更年期以降の高齢女性、出産後の女性とその子を対象に,歯周病原細菌保有状況と口腔ケア状況、食習慣の他生活習慣との関連性を明らかにすることを目的としている。本年度は、近い将来,妊娠・出産・育児の機会を迎える時期の女性(女子大学生)と高齢女性の歯周病原細菌感染状況と食習慣・生活習慣についての調査を実施した。歯周病原細菌の保有状況の調査では,歯周病と特に関連性が高いと言われている3菌種,Porphyromonas gingivalis(P.g.),Tannerella forsythia(T.f.),Treponema denticola(T.d.)については、女子大学生より、高齢女性の方が有意に保有率が高い結果であった。しかし、口腔ケア状況との関連性は見られなかった。今後、これらの菌の量を測定し、食習慣や口腔ケア状況を始めとする生活習慣との関連性について検討を行う。また、出産後の女性とその子についての調査を継続し、同様の検討を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
産休・育休に続き、育児に伴う時短勤務の形態を取らせていただいているため、当初の予定より全体的にやや遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画より後ろ倒しになっているが、歯周病原細菌の定量実験の実験系を確立し、定量実験を行う。定量実験終了後、食習慣、口腔ケアなどの生活習慣との関連性について検討し、女性のライフステージにおける変化と口腔ケアのあり方について考察する。
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Causes of Carryover |
当初の計画が全て後ろ倒しになってしまっている関係で、使用予定であった物品費などの執行も遅れている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度に実施予定であった歯周病原細菌の定量実験、中途となっている母子の歯周病原細菌の定性実験および食習慣調査の費用として使用する予定である。
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