2019 Fiscal Year Research-status Report
食事中の食物への注意が食後の熱産生と満腹感に及ぼす影響
Project/Area Number |
15K16236
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
鍛島 尚美 広島修道大学, 健康科学部, 准教授 (20433394)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 視覚 / 甘味 / 摂食量 / ギムネマシルベスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚情報の有無と口腔内甘味受容体活性の変容との相互作用が,甘味を呈する食物の摂取量に及ぼす影響を検討した。健康な成人男女14名が実験に参加した。被験者は,実験前日の夜および実験当日の朝に規定食を定刻に摂取し実験室を訪問した。被験者は椅子に座った状態で30分間の安静後(朝食摂取2時間後),アイマスクを装着(B)ある非装着(N)の条件下で,水(C)あるいは2.5%ギムネマシルベスタ溶液(GS)のいずれか25 mLを口に含み30秒間リンシングした。その後,水で口腔内に残存した溶液を洗い流した。続いて,バタークッキー1枚を摂食した。被験者はこの一連の手順を繰り返し,バタークッキーを自由に食べたいだけ摂取した。バタークッキー1枚を摂取する毎に,視覚的評価スケールを用いて,主観的な空腹感,摂食可能感,満腹感,食事に対する満足感,甘味に対する欲求,味覚強度(甘味,塩味,酸味)および嗜好度(快・不快)を評価した。バタークッキーの摂食枚数は,B-GS条件およびN-GS条件が,B-C条件およびN-C条件に比べて有意に少なかった。主観的な嗜好度,甘味強度および食事に対する満足感は,B-GS条件およびN-GS条件がB-C条件およびN-C条件に比べて有意に低かった。甘味に対する欲求は、B-GS条件およびN-GS条件がN-C条件に比べて有意に高く,N-GSがB-C条件に比べて有意に高かった。摂食終了時の空腹感,満腹感および摂食可能感は4条件間で違いがなかった。視覚情報の有無は、全ての測定項目に対して有意な影響を及ぼさなかった。口腔内甘味受容体活性の抑制は、バタークッキー摂食時の嗜好度を低下させ摂食量を低減するのに対し,視覚情報の遮断は、各種感覚および摂食量にほとんど寄与しないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度途中の妊娠に伴い、実験の開始および論文執筆に遅れが生じたため。加えて、2020年3月~2021年3月末まで研究を中断する予定であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究再開予定は2021年4月である。研究再開後は、速やかに論文執筆を行う。
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Causes of Carryover |
2019年度途中の妊娠により実験実施が予定より遅れ、論文執筆・投稿に係る費用が2020年度に繰り越されたため。
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