2015 Fiscal Year Research-status Report
女性のサプリメント利用と心理的要因の関連を踏まえた食リテラシー向上に関する研究
Project/Area Number |
15K16241
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
佐藤 陽子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 情報センター, 研究員 (20455421)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | サプリメント / 若年女性 / 食教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
幼児期の安易なサプリメント利用は食育への悪影響及び健康被害発生につながる。そこで本研究は、幼児の母親達がサプリメント利用に対し、科学的根拠に基づく冷静な判断ができるようになるための教育ツールを開発することを最終目的としている。教育ツールは、次世代の育成に大きな影響力を持つ若年女性が好む簡単な心理テスト形式のものを想定している。 本年度は、教育ツール開発のための基礎的なデータ収集を目的に、将来母親となる可能性のある女子大学生に対して、サプリメント利用行動と食生活リテラシー・性格因子・栄養摂取状況との関連について質問紙調査を実施した。具体的には、関東圏内の女子大学・短期大学に通う学生約200名を対象に、属性、サプリメント利用状況とサプリメントに対する認識、食生活リテラシー、食物摂取頻度、性格に関する項目を設定した自記式調査を実施した。食生活リテラシーには健康的な食生活リテラシー尺度(HEL)を、食物摂取頻度にはFFQg、性格検査には主要5因子性格検査(Big5)を用いた。 現在は回収したデータの入力およびデータクリーニング、解析等の作業を実施中である。本年度に収集したデータは、次年度以降に作成する教育ツールの科学的根拠の基礎となるものであり、サプリメント利用行動と性格因子との関連を検討するうえでの貴重な資料となる。次年度は、本年度に実施した調査結果を踏まえ、サプリメントに対し科学的根拠に基づく冷静な判断を促す教育ツールの試作およびユーザビリティ調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、(1)女子大学生を対象とした質問紙調査の実施(2)調査結果を踏まえた教育ツールの試作の2つを目標としていた。質問紙調査の実施は達成できたが、結果の解析が終了しておらず、試作ツールの作成について達成できていないため、やや遅れていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、教育ツールの試作を行い、当初の計画通り、そのユーザビリティ調査を実施する。ユーザビリティ調査は、まず女子大学生を対象に試作版を用いて実施し、その結果を踏まえ改良版を作成する。次に幼児を持つ母親を対象に改良版を用いて実施し、完成版を作成する。さらに、幼児を持つ母親を対象に、子どもおよび本人のサプリメント利用状況と食物摂取状況、性格特性に関する質問紙調査を実施し、教育ツールの、幼児を持つ母親への適用の可能性について検討を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、教育ツールの試作が遅れたこと、初年度であり、研究結果の水準が学会発表にまで達しなかったことから学会参加を見送ったため、旅費が発生しなかったことが挙げられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降に、教育ツールの作成・改良、学会における研究成果の発表、より高度なデータ解析のための解析ソフトの購入、データ入力作業に対する謝金などに使用することを計画している。
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