2016 Fiscal Year Research-status Report
能動的な観察と考察を促すワークショップ型科学教育の開発
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15K16242
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
大谷 智子 東京藝術大学, 芸術情報センター, 助教 (40422406)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 科学教育 / 科学コミュニケーション / ワークショップ / 錯視ブロック |
Outline of Annual Research Achievements |
科学教育では,体験学習の重要性が広く認識されている。学校や自治体,NPO法人等でもワークショップや体験教室が開かれるようになってきた。しかし,多くの体験学習プログラムは,何度も体験することが難しく,知識や学習姿勢の定着が不十分であるという問題点がある。そこで,本研究では,科学教育プログラム体験後も,日常で反復的に行えるワークショップ型教育プログラムを開発することを目的とした。 体験学習における能動的な発見は,反復的な観察の中で生じる。この反復的な観察は,科学一般の研究にとっても不可欠な手順である。実世界でも多く生起しているが,意図的に探すまで気づきにくい錯覚現象を,本研究のプログラムのテーマに取りあげた。プログラム受講後,日常で錯覚を発見するという反復的な観察姿勢に繋がると考えたからである。 平成28年度は,開発者不在の状況でも,一般ユーザが利用できるよう,ワークショッププログラムのパッケージ化を進めた。具体的には,ワークショップ素材の作成に必要な情報公開の環境整備,ワークショップ到達度の指標の作成,目的と対象に応じたワークショッププロトコルの修正と検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は,科学教育プログラム参加者が,その1回の体験にとどまってしまうのではなく,日常生活でも反復できるよう,ワークショップの素材作成に必要な情報公開の環境整備を行った。また,これまでの検討を基に,到達度の指標化やワークショッププロトコルのマニュアル化を進めてきた。さらに,科学館関係者へのヒアリングを参考にし,多人数体験型と少人数探究型の2つのタイプのワークショッププロトコルの作成および有効性の検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,これまでの研究成果を総括し,学会発表および論文の投稿を行う。
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Causes of Carryover |
研究成果の発表に最適な学会が次年度夏に開催される。その学会参加および論文投稿にかかる費用の支払いは平成29年度に入ってからになるため,次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年8月開催の査読付き国際学会にて成果を発表する。Full paperセッションでの発表は決まっている。
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Remarks |
【招待/体験展示】”錯視ブロック 観察して,つくって,また観察してみよう”,静岡科学館る・く・る「キニナルスキニナルプロジェクト・静岡市美術館×静岡科学館連携事業 みる・きく・さわるのさっかく展」,静岡(2016.7.17-8.31).
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