2015 Fiscal Year Research-status Report
再生可能エネルギー教育のためのシリコン太陽電池教材の開発と実践
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15K16251
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
内海 淳志 舞鶴工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (30402663)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教材開発 / 太陽電池 / シリコン / 再生可能エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
再生可能エネルギーへの関心が高まっており、太陽電池の仕組みの学習や太陽電池づくり体験の機会が求められている。しかし現状では、一般家庭に浸透しているシリコン太陽電池に関する体験型の公開講座はほとんど実施されていない。太陽電池の作製に丸1日を要すること、および教材費が高いことが原因である。そこで本研究は、半日の公開講座で作製できるシリコン太陽電池教材を新たに開発し、一般市民を対象とした再生可能エネルギーを学ぶための公開講座で本学習プログラムの教育効果を検証することを目的としている。 平成27年度は、シリコン太陽電池の簡易作製プロセスと作製時間の短縮を検討した。半日の公開講座で作製するために必要な検討である。基板洗浄、電極形成、熱処理などの基本的な作製プロセスを確立した後に、作製時間を短縮するために電極形成条件の見直しを行った。この成果として、半日の公開講座で作製できる太陽電池教材を開発できた。なお、基板洗浄を公開講座中で行うのではなく、事前準備として行うようにすれば、より短時間で作製することも可能である。作製した太陽電池からは、テスタで確認できる程度の開放電圧と短絡電流が得られることがわかった。以上のことから、公開講座で使用するシリコン太陽電池教材の開発については当初の目標を達成したと考えることができる。 次に、シリコン太陽電池教材の開発に目途がついたことから、当初の研究計画に沿って、高専での実験実習においてこの教材を基にした実験テーマを導入した。現在はその教育効果を調査しているところである。今後は、教材の教育効果についての評価を進めるとともに、一般向けの公開講座の実施に向けた準備を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、シリコン太陽電池の簡易作製プロセスと作製時間の短縮を検討したが、その成果として、半日の公開講座で作製できる太陽電池教材を開発できた。作製した太陽電池の開放電圧と短絡電流は、公開講座で使用する予定であるテスタで確認できることから、公開講座で使用する最初のシリコン太陽電池教材の開発については当初の目標を達成したと考えることができる。また、開発した太陽電池教材を高専での実験実習に導入するなど研究計画に沿って、順調に進めることができているため、現在までの達成度はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究については、公開講座の準備・実施と、教材費を抑えるための低コスト太陽電池教材の開発を進める。まず、公開講座については、舞鶴高専地域共同テクノセンターの講義室および電子デバイス実習室(試作室)で行う予定であり、近隣の中学生や高校生などが参加できる長期休業期間内に日程を設定して行う予定である。 次に低コスト太陽電池教材の開発である。本研究で開発したシリコン太陽電池教材はn形シリコン基板を使用しているが、これを流通量の多いp形シリコン基板に替えることができれば、公開講座の材料費を下げることができる。また、現在はオーミック電極に金を利用するため電極材料のコストが高くなっているが、これを安価なアルミニウムなどの金属に替えることができれば大幅に低減できる。基板の変更およびオーミック電極材料の変更について検討を行う。
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