2015 Fiscal Year Research-status Report
高等学校情報科におけるインターネット依存教育に関するカリキュラムの開発の試み
Project/Area Number |
15K16264
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鶴田 利郎 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (20735352)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教育工学 / インターネット依存 / 情報科教育 / 高校生 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、高校生の間でインターネット依存が深刻な問題となっている。この問題は、以前からメール依存症やネット依存などをはじめ、様々な呼称で依存することの危険性が指摘されてきていた。また、心身の健康への悪影響や金銭トラブル、ネット上での言動や立ち振る舞いの悪化をはじめ、インターネットに依存することに因る様々なトラブルやリスクなどもこれまでに多数報告されてきている。 以上より、このインターネット依存の問題については、早急に改善、解決されていかなければならない喫緊の課題であると考えられた。そして近年、生徒のインターネット依存をを改善するための教育実践を行う必要性が広く指摘されるようになってきている。しかし、これまでのところこのような教育実践研究が十分に行われてきていなかったことから、現在のところこのような教育実践を行うための効果的な教育方法や単元を確立するには至っていない。そこで本研究では、高等学校の情報科教育において実践可能な、高校生のインターネット依存を改善することを目的とした単元の開発を試みた。 まず単元開発を行うに際しては、筆者自身がこれまでに行ってきた実践(鶴田,2009:鶴田ら,2015)において得られた知見を参考にしながら、2,3時間程度で実施可能な単元と、5,6時間程度で実施可能な単元を開発した。次に開発した単元を踏まえて、3校の高校において実践を行った。そして、鶴田ら(2014)の高校生向けインターネット依存傾向測定尺度による調査の結果、授業実践を通して生徒の依存傾向が改善されたことが確認された。したがって、本研究を通して開発した単元は、高校生のインターネット依存の改善に有効であることが示唆された。 今後は、本研究で得られた成果や課題を踏まえて開発した単元にさらなる改善を加えると共に、生徒、実践校、授業実践者等のサンプル数を拡充した実践研究を広く行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定とは一部異なる学校で実践を行っていただくこととなったり、現在行っている単元の改善に予定以上に時間がかかってしまっているが、全体的には概ね順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、初年度に行った実践を通して得られた成果や課題を踏まえて、単元の改善案を検討している。今年度は、改善された単元を踏まえて、実践校の数を増やした実践研究を行っていきたいと考えている。
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