2017 Fiscal Year Annual Research Report
A class observation system using behavioral measures: students' handwriting and teachers' locomotion
Project/Area Number |
15K16266
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
吉岡 昌子 愛知大学, 文学部, 准教授 (10584097)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 行動工学 / 授業観察 / 時系列測定 / ノートテイク / 大学生 / 手書き |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、前年度までに試作した手書き行動の測定装置および記録プログラムを改良し、計52名の大学生を対象に、2度の性能試験を行った。その結果、課題であった筆記速度の増大による検出反応数の直線的な減少や、筆圧の弱さによる計測困難などの問題を解消でき、書き手の運筆に応じた手書き行動の検出が可能となった。続いて、大学生26名を4群に分け、模擬講義場面において、配布資料の有無が教員の講義行動、学生のノートテイク行動および授業前後の小テスト(PC上で実施)の成績に与える影響を比較検討した。この分析は現在進行中であるが、結果から少なくとも本研究で開発した授業観察システムが教室場面での複数同時測定において実用可能であることが分かった。 本研究の3年間の成果は、1点目に教室場面での教員と学生の相互作用を定量化する仕組みを、①ボールペン、小型スイッチ、無線マウス(左ボタンの回路)を用いた筆記量計、②市販の万歩計と無線マウスの回路を利用した移動量計、③Visual Basic for Applicationによる記録プログラムからなる記録システムによって具現化したことである。入手しやすい材料を用い、持ち運びが容易で、特別な装置やデータ処理が不要な構成を実現したことで、実験室的場面だけでなく、日常的な筆記場面を対象とした研究の進展が期待できる。2点目は模擬講義場面での実用性が認められたことから、これまで明らかでなかった学生のノートテイク行動を時系列情報つきで計測できるようになったことである。今後は、本システムを用いて、教育的に重要な課題(授業方法の違いがノートテイクと理解度に及ぼす影響の検討、効果的なノートテイクを高める授業条件の分析など)の研究を進めるとともに、システム自体を充実させ授業改善に応用することを予定している。
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Research Products
(4 results)