2015 Fiscal Year Research-status Report
学習に関連したWebコンテンツの特定と学習履歴情報に基づく学習者特性の解明
Project/Area Number |
15K16269
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
豊田 哲也 青山学院大学, 理工学部, 助教 (30650618)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教育工学 / メディアの活用 / 学習支援システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において解決すべき点である,「学習者にとって閲覧したWebページが学習コンテンツとして相応しいか否か」の判断基準として活用するeラーニングシステムの運用を行い,学習者の学習レベルや講義に対する積極性などの学習特性情報の抽出を行った.これらから得られたデータを基に,学習者の学習状況の獲得と,以後の成績の変化を機械学習を用いて分析した.これらの情報を抽出するための基盤としてWikipediaデータベースの情報を活用しているが,これらのデータの他に,日本語学習者の学習能力を測定するために,語彙(漢字)能力,文法能力を考慮する必要があると判断し,これまでの共同研究で得られた知見である,認知診断テストを利用することで,学習者の学習能力を推定することが可能となった. さらに,日本語学習用の認知診断テストで得られる学習者の能力を基に,適切な学習コンテンツを提供する基盤を構築した.また,日本語学習者の語彙・文法能力を測定するために,様々な小テストを実施することで,学習者の能力を分析する方法について検討を行っている.これらのデータは学習者個人の学習プロファイル情報として記録し,学習プロファイルと学習コンテンツのひもづけが今後の課題である. また,Webコンテンツの収集に当たっては,広く収集するのではなく,Webニュースのデータと学習者のニュースに対する可読性を判断材料として活用することで,時々刻々追加されるデータから,随時学習者の能力を分析するとともに,学習者の能力の変化を分析する仕組みについて検討を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度実施予定の研究の8割が順調に推移しているが,Webコンテンツが学習コンテンツとして相応しいか否かの分類,さらに学習者の能力に見合ったものかどうかという判断基準の抽出部分が未達成となっている.ただし,平成28年度において実施予定であった学習プロファイルデータベースの構築およびこれまでの研究計画では想定していなかった事案(Wikipediaのデータのみで学習関連のキーワードを抽出することが難しい点など)に対して,解決することができており,おおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度実施予定の研究内容で未達成部分である,Webコンテンツの構造・および機械学習による学習コンテンツの分類については迅速に研究を進め,日本語教育において評価実験を実施する予定である.また,現時点では想定していない事案が評価実験において惹起する可能性があるため,できるだけ早い段階での評価実験の実施と,新たな課題について検討を行うことで,解決策の提案と再評価を迅速に実施したいと考えている.
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Causes of Carryover |
平成28年度の評価実験の際に,実験協力者に対する謝礼の必要性が生じたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
評価実験における実験協力者の謝礼として使用する予定である.
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