2017 Fiscal Year Research-status Report
平面インパルス制御を用いた設備投資問題への確率的アプローチ
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15K16290
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
後藤 允 北海道大学, 経済学研究院, 准教授 (30434286)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リアルオプション / 環境投資 / インパルス制御 / スイッチング制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 観測変数と制御変数からなる平面上のインパルス制御問題の解法について、より効率的な計算方法を考案した。平面上を制御変数の断面でカットし、その断面上のスイッチング問題に変換することで閉じた方程式系になり、数値計算を簡便にすることに成功した。ただし、解法が変更されたため、最適解の保証について考え直す必要が生じた。 2. 環境投資への応用問題として、昨年度に引き続き、再生可能エネルギー利用割合基準(RPS)の政策問題を分析した。非再生エネルギー事業者と再生エネルギー事業者が両方とも存在する市場において、再生エネルギー事業者の投資問題として定式化し直し、最適な投資タイミングとRPS割合を求めた。RPSを最適化しない場合は、初期RPS割合が高いほど投資を促進し、温室効果ガスを削減することを示した。さらに、RPSを最適化する場合は、初期RPS割合が高いほど最適化後のRPSが適正水準に下げられるため、逆に投資を抑制し温室効果ガスを増加させることを示した。この成果は、21st Conference of the International Federation of Operational Research Societies他にて発表した。 3. 確率論的厳密性の維持のため、カリフォルニア大学バークレー校にてXin Guo教授と意見交換し、研究交流を継続した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」にあるように、当初予定していた研究テーマ(数値計算アルゴリズムの構築・実証分析)で進捗が得られた。さらに、1つの応用問題(環境投資)で新たな結果が得られた。また、カリフォルニア大学バークレー校のXin Guo教授との研究交流を継続することもできた。よって、研究は予定通り順調に進行していると結論づけた。
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Strategy for Future Research Activity |
平面インパルス制御問題における最適解の保証を進めるとともに、平面インパルス制御による設備投資問題の定式化に着手する。さらに、競争環境における分析を試みる。また、カリフォルニア大学バークレー校のXin Guo教授との意見交換によって、確率論的厳密性について示唆を得る。
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Research Products
(6 results)