2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K16293
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
橋本 英樹 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (70548114)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 組合せ最適化 / 配送計画問題 / 配置問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
主な研究成果は以下の3点である. (1) 被覆制約付き配送計画問題に対する解法の開発:被覆制約付き配送計画問題(m-CTP)では,訪問することのできる点(訪問点)集合と被覆されなければならない点(被覆点)集合が与えられる.各訪問点は被覆点の一部を被覆する.m-CTPの目的は,デポと呼ばれる訪問点を出発していくつかの点を訪問し,再びデポに戻ってくるような巡回路の組を決め,それらの距離の合計を最小化することである.ただし,求めた巡回路の組に含まれる点の全体がすべての被覆点を被覆しなければならない.本研究では,二種類の操作を局所探索法の近傍操作を考案し,それらを用いた効率的解法を開発した. (2) レクトリニ多角形配置問題に対する解法の開発:内角が90度または270度であるような多角形をレクトリニア多角形と呼び,1つの大きな長方形の容器内にレクトリニア図形を重なりなく配置する問題をレクトリニア多角形詰込問題と呼ぶ.本研究では,配置するx座標が与えられている図形に対し,詰込み順序に基づく新たな解表現法を提案し,解表現から各図形のy座標を定めるアルゴリズムを考案した.また,図形を配置するx座標の組合せを生成し,それに伴う最適なy座標に対応する解表現を探索する手法を提案した.この手法により,既存手法に比べて計算時間を改善することができた. (3) 宅配便における階層型配送計画問題の数理モデル:宅配企業の実際問題を企業からヒアリングし階層型配送計画問題としてモデル化した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,いくつかの最適化問題に対して個別に解法を提案し,実験的解析を行った.また,巡回を求める多くの問題に対して適用可能な最適化フレームワークとインターフェースの開発を行った.巡回を求めるタイプの問題は数多くあるが,それぞれ問題別の制約等を持つためこれまで解法の開発は問題ごとに行われていた.今後は,開発したフレームワークにより,アルゴリズム全体を実装するのではなく問題個別の部分のみを実装するだけで,最適化の基本ルーチンが完成する.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,様々な巡回を求めるタイプの問題に開発した最適化フレームワークを適用し,実験的解析を行う.また,これ以外のタイプの問題に対しても適用可能な最適化フレームワークの検討および引き続き問題個別の解法の開発を行う.
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Causes of Carryover |
当初は当該年度に計算実験用の計算機の購入を予定していたが,購入を見合わせることにしたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度に購入を計画していた計算実験用の計算機を購入する.
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Research Products
(13 results)