2016 Fiscal Year Research-status Report
ユーザ個別の最適保全理論の確立を目指したモデル構築とその活用
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15K16301
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Research Institution | 0082727 |
Principal Investigator |
横山 真弘 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基, 能力開発院, 助教 (40735354)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 共変量 / 累積暴露量モデル / 対数正規分布 / misspecification |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ユーザの使い方に関する情報を共変量として寿命分布の推定の中に取り込み、ユーザ個別の最適保全理論の確立を目指している。そのためには、累積暴露量(cumulative exposure)モデルに基づいての故障時間から累積暴露量への変換が必要になる。従来研究では、累積暴露量の分布の型が実際にはガンマ分布やバーンバウム・サンダース分布に従っている場合に、対数正規分布を誤って仮定(misspecification)した際の共変量の効果を表すパラメータの推定の偏りについての研究を行った。その際に従来研究では、共変量が正規分布に従っていると仮定した議論を行っている。本年度はさらに、共変量の分布の仕方に特徴がある場合に、累積暴露量の分布のパラメータ、および共変量の効果の推定値の偏りに関する研究を行った。共変量が変化せずに一定となるものが混在している場合には、累積暴露量の分布の平均が低くなるような偏りが現れ、共変量の効果の推定値も低くなるような偏りが現れる。これらの内容は、Engineering Letters(Vol.24, pp.195-201)にて、発表を行った。次年度は累積暴露量の分布の型による影響を受けないロバストな推定が可能となるモデル構築を目指す。さらに、適切なモデル構築のためにAI(Deep Learning)技術を実装し、構築したモデルにより逐次的な各ユーザの製品の寿命や劣化量の予測値が得られることを目指す。その結果により、最適な保全のタイミングの決定を可能にする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
累積暴露量の分布の型の違いについての研究は進んでいるが、適切なモデル構築に関する進捗がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、分布の型が異なる場合における、適切な推定値の補正方法を提案する。それにより、分布の型による影響を受けないロバストな推定が可能となるモデルを構築する。さらに、適切なモデル構築のためにAI(Deep Learning)技術を実装し、構築したモデルにより逐次的な各ユーザの製品の寿命や劣化量の予測値が得られることを目指す。その結果により、最適な保全のタイミングの決定を可能にする。
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Causes of Carryover |
累積暴露量の分布の型の違いについての研究は進んでいるものの、適切なモデル構築に関する進捗がやや遅れているために、モデル構築に関する環境の整備が遅れた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、計算用サーバーを購入し、AI(Deep Learning)技術が実装できる環境を構築する。そして、最適な保全計画の構築を完成させ、国際会議での研究成果の発表を目指す。
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