2015 Fiscal Year Research-status Report
衛星マルチセンサ画像と地理空間情報の融合による災害把握の高度化
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15K16305
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
劉 ウェン 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60733128)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 災害 / リモートセンシング / 都市モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,撮影条件が異なる光学センサ画像と合成開口レーダ(SAR)画像を地理空間情報として融合する手法を開発し,自然災害後に短期間で得られる多様な衛星画像を用いて被害を早期に検出することである。 本年度は撮影時期と条件が異なる高解像度SAR画像を用いて, 2011年東北地方太平洋沖地震で事故が発生した福島第一原子力発電所内の原子炉・タービン建屋の被害と,その後の復旧状況を把握した。詳細な建物反射モデルを作成して,入射方向と入射角度による違いを検討した。被害の把握に最も有効な撮影条件を限定することができた。さらに,東北地方太平洋沖地震による橋梁の被害も検討した。撮影条件の同じ地震前後のSAR画像と単独の事後画像を用いて,宮城県と岩手県の沿岸部にある橋梁の被害分類を行った。撮影条件と後方散乱係数の検討することで,高精度で落橋の抽出ができた。 また,新たにおきた災害の対応として,2014年11月の長野県神城断層地震と2015年5月のネパールGorkha地震における被害抽出を行った。長野県神城断層地震は日本の陸域観測技術衛星ALOS-2が打ち上げてから最初の地震であり,ALOS-2に登載されたPALSAR-2センサが撮影した画像を用いて,地殻変動の検出と断層モデルの推定を行った。ネパールGorkha地震においては,災害前後に撮影された多時期画像を用いて,首都カトマンズにおける歴史建築物の倒壊状況と北山間部における斜面崩壊を検出した。光学センサ画像と併用して,精度の検討と向上を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた地殻変動,浸水被害と 1棟単位での建物被害,この3つの検出が実現できた。2014年長野県神城断層地震を対象とし,地震前後のSAR画像による地殻変動の検出と断層モデルの推定を行った。水害については,2015年9月の関東・東北豪雨による茨城県常総市における浸水範囲の検出と湛水量の推定を行った。また,多時期画像を用いることで,浸水域の時系列変換をモニタリングできた。建物被害に関しては,2015年ネパールGorkha地震によるカトマンズ市内における歴史建築物の被害検出を1棟単位で行った。 また,予定していたSAR画像を用いた3次元建物モデルの特徴把握も行った。撮影条件が異なる画像から福島第一原子力発電所内の原子炉・タービン建屋の反射特性を建物モデルより構築し,詳細な被害把握と復旧状況のモニタリングができた。高解像度光学衛星画像とSAR画像から建物高さの推定も行った。 しかし,2015年新たに発生したネパール地震と関東・東北豪雨の対応で,予定していた異なる波長のSAR画像を用いて各土地被覆におけるマイクロ波の後方散乱係数を統計的な分析ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後では,まず本年度実施できなかった各土地被覆におけるマイクロ波の後方散乱係数特徴把握と,高解像度光学衛星画像とSAR画像を併用したGIS上の3次元都市モデルの作成を行う。。また,これまで開発した被害検出手法を3次元都市モデルとSAR画像に適用し,被害を早期に検出するシステムを構築し,被害評価指標を作成する。対象事例は東北地方太平洋沖地震の以外に,ネパール地震と関東・東北豪雨に適用し,異なる規模の都市におけるシステムの限界と有効性を評価する。その結果にもとづき,多種の自然災害による被災範囲と被害程度を総合的に評価できる被害指標を構築する。さらには新たに発生する災害に被害早期検出システムを適用する。
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Causes of Carryover |
妊娠したため,予定していた学会参加と現地調査が実施できなくなった。また,ネパール地震と関東・東北豪雨の緊急対応で,購入する衛星画像の予定が遅れた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度購入する予定であった衛星画像を新たに購入し,使用した解析機器とソフトウェアの更新を行う。出産後では,積極的に学会にて研究成果の発表を行う。
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Research Products
(15 results)