2015 Fiscal Year Research-status Report
3次元動作解析と新規髄液循環評価法を用いた特発性正常圧水頭症の予後と病態の解明
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15K16347
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石原 哲郎 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60731437)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 特発性正常圧水頭症 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性正常圧水頭症は高齢者で認知障害、歩行障害、排尿障害などを来す疾患で全国に 30 万人いるとされる。MRI で脳室拡大はあるが脳脊髄圧は正常範囲内で、脳脊髄液シャント術により症状改善が得られる。髄液循環動態の異常をきたす病因や病態は確定していない。一番頻度の高い症候は歩行障害で、歩幅の減少、足の挙上低下、開脚歩行がみられ髄液排出試験やシャント術により歩幅が拡大し、方向転換に要する歩数も少なくなる。一方で不安定性は改善されにくい。歩行障害の原因は線条体や皮質脊髄路との関連性が報告されているが確定していない。特発性正常圧水頭症の原因を特定できない原因は2つあると考えられる。 ア)従来の MRI や機能画像では検出できない病態である。 イ)重要な動作が評価されていない、評価指標の難易度が適切でない可能性がある。 現在 5 例で髄液排出試験(髄液検査で 30cc の廃液を行う)前後での立位時の姿勢制御を評価し改善傾向が見られた。現在研究活動スタート支援助成(~平成 27 年度)を受け症例の蓄積および解析を継続している。一方特発性正常圧水頭症には高齢者特有の合併症が多い。 実際 5 例中にもアルツハイマー病や変形性股関節症の合併症例が含まれていた。いずれの疾患も経過中に運動機能障害を合併し転帰に影響しうる。そこで申請者は,合併症のない症例のサンプルサイズを確保し病態解明につなげる,iNPH の長期予後と合併症との関係を評価するため 3 年間の縦断研究を立案し症例を蓄積中である。前向き研究であり,解析結果は今後のフォローアップ後に報告する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動作解析では立位姿勢が不安定な患者が多く,介助者が複数必要となる。しかし,スタッフの入れ替えなどにより人員が確保できていない。 またMRIの不具合により一時的に使用できない状況があった。
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Strategy for Future Research Activity |
MRIは現在復旧している。 動作解析の人員については未だ予定が立っておらず,引き続き募集を続ける。
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Causes of Carryover |
国際学会に参加しなかったため。 研究助手を雇用できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は国際学会に参加する予定であり,研究助手も募集を行うため,その経費にあてる予定である。
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Research Products
(3 results)