2016 Fiscal Year Research-status Report
自己身体認知の変化を誘発するリハビリテーション戦略の開発
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15K16354
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大鶴 直史 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (50586542)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 感覚予測 / 感覚運動連関 / 自己身体認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究のテーマである自己身体認知には、感覚情報に対する予測と実際の感覚入力の合致が重要な役割を果たしていると考えられている。つまり、予測と実際の入力が脳内のどこで情報処理をされているかを検討することは、今後の身体認知変容誘導という最終テーマに到達する上で有益となると考えられる。そこで昨年度から引き続き、感覚情報予測と実際の感覚入力にエラーが生じたときの皮質活動を脳磁場計測装置を用いて検討した。結果、触覚入力に対する予測が強固になればなるほど、予測から逸脱した入力があった場合に二次体性感覚野の活動が増大することを見出した。この結果は、少なくとも単一感覚内では、予測と実際の感覚入力の比較に二次体性感覚野が重要な役割を果たしていることを示唆するものであり、現在国際誌に投稿中である。 上述のように、昨年度から今年度まで触覚情報処理内のエラー反応に関して着目をし、検討を行ってきた。しかしながら実際の自己身体認知には、触覚以外の固有受容覚、視覚情報も重要な役割を示すことが知られている。そこで本年度は、固有受容覚と視覚情報を操作し、運動時の自己身体認知に異常を生じさせた際の影響を検討するためのデバイス製作を開始した。手指の内外転運動を他動的に行える装置上にディスプレイを設置し、実際の運動と異なる動画が提示されるシステムを構築した。これにより、他動運動による実際の固有受容覚情報と視覚情報が異なる条件を作ることができ、自己身体運動の認知を変容させた際に起こる変化を検討することができると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで、自己身体認知に関する基礎的な実験を進めてきた。触覚エラ-反応に関する実験はすでに終了し、論文投稿まで至っている。また、さらなるデバイス開発も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は、現在までに得られた結果を国際誌に発表するとともに、行動学的な観点からの実験を開始する。自己身体認知を変容するのに必要なデバイス製作はほぼ完了しているため、行動学的な変化と脳活動の接点を見出す研究を推進する。
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Causes of Carryover |
数百円の未使用額が生じたのみで、おおむね予想通りの支出額であった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度も変更なく実施を行う
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Research Products
(6 results)