2017 Fiscal Year Research-status Report
足趾握力が人工膝関節全置換術患者の予後に与える影響
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15K16380
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
瓜谷 大輔 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (10454802)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 足趾握力 / 人工膝関節全置換術 / 予後 / 歩行能力 / 痛み |
Outline of Annual Research Achievements |
人工膝関節全置換術(以下、TKA)術後患者の足趾握力と術後予後との関係を明らかにすることを目的として本研究を実施した。対象は変形性膝関節症(膝OA)患者でTKAを実施した70名(男性15名、女性55名、平均年齢74.5±7.5歳)であった。両側TKA実施例については対象から除外した。また膝OA以外に下肢機能に影響を及ぼすような重篤な疾患や外傷の既往、手術歴のない者を対象とした。カルテの記録より身長、体重、BMI、膝OAの重症度(Kellgren-Lawrence grade)を収集した。測定項目は足趾握力(TGS)、安静時痛および運動時痛(Visual Analog Scale)、10m歩行速度、Timed Up and Go test(TUG)とした。またWOMAC osteoarthritis indexの痛み(WOMAC pain)およびこわばり(WOMAC stiffness)の下位項目についてアンケートを行った。測定項目はそれぞれ術前と術後(退院時、術後3週-4週目)に測定を行った。 術前のTGSについては体重で除して正規化した体重比の値(TGS/wt)を算出した。WOMAC以外の測定項目については(術前値-術後値)/術前値の算出によって変化率を算出した。WOMACについては術前後での変化量を算出した。各測定項目の術前値と術後値について対応のあるt検定を用いて比較した。またTGS/wtと各測定項目の変化率または変化量の関係についてピアソンの相関係数を算出した。有意水準は5%とした。 10m歩行、TUGについては術後有意な遅延が見られた。運動時痛、WOMAC painおよびstiffnessは有意な改善が見られた。TGS/wtと測定項目の術前後での変化との間にはWOMAC stiffnessとの間にのみ有意な正の相関がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点でデータの収集は終了している。データベースに入力されたデータを基に基本的なデータ解析作業は終了している。今後は得られたデータをサブグループ化することによってさらに詳細な解析を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究結果をもとに、他のパラメータも含めて足部の形態や機能と膝関節のバイオメカニクスの関係や変形性膝関節症の病態、人工膝関節全置換術後患者の予後との関係について調査を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
物品の購入について他の資金からの調達や他研究者との共有が可能となったこと、データ解析作業による人件費の発生が当初計画よりも少なくなったことから差額が生じた。 次年度は本研究関連の情報収集を目的とした学術大会参加費用などを中心に充当していく予定である。
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