2015 Fiscal Year Research-status Report
末梢神経閾下刺激が大脳皮質抑制系へ及ぼす影響の解明と臨床応用－脳磁図を用いた検討
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15K16385
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| Research Institution | Hiroshima University |
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Principal Investigator |
中川 慧 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (10711070)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 脳磁図 / 感覚刺激 / 抑制系 / リハビリテーション |
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| Outline of Annual Research Achievements |
末梢から感覚閾下での微弱な感覚刺激を呈示することで、大脳皮質感覚野の抑制性介在ニューロンの局所回路を活性化させる可能性がある。本研究では、時空間分解能に優れる脳磁図を用いて、微弱な感覚刺激が大脳皮質へ与える生理学的機序を検討し、体性感覚障害に対する新たなリハビリテーションアプローチとしての応用を検討することを目的としている。
平成27年度は、1つ目の研究テーマである「微弱な末梢感覚刺激が大脳皮質へ与える生理学的機序の検討」に関する研究を主に行った。正中神経刺激の直前（0.1秒前）に感覚閾値程度の微弱な神経刺激を先行させることで次の刺激に対する脳磁場応答が減弱し、この減衰が慣れや疲労ではなく、積極的な抑制過程を反映している可能性があるとした先行研究（Nakagawa K et al., NeuroImage, 2014）を基に、その減衰が神経伝達のどの時点から生じるのか検討した。具体的には、正中神経刺激の直前に、第一次体性感覚野までの神経伝達がオーバーラップしない尺骨神経刺激を先行させることでも同様の現象が生じるのか確認した。結果、同様の脳磁場応答の減衰が生じることを見出し、この評価方法が末梢レベルではなく、大脳皮質の局所抑制回路の働きを反映する可能性を示した。現在は、臨床応用に向けて、どの程度の刺激で抑制回路を活性化できるのか、検討を始めている。
なお、本年度の研究成果は、神経生理学領域（第17回ヒト脳機能マッピング学会）やリハビリテーション学領域（第50回日本理学療法学学術大会）の国内学会で発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一つ目の研究テーマに関しては、脳磁場応答の計測・国内学会での発表と行うことができ、順調に進展した。
しかし、平成27年度7月に研究代表者の異動があった。それに伴い、期間の後半は、新たな研究環境の整備や研究戦略に多くの時間を費やした。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年度の研究結果を生かして、「末梢感覚刺激が大脳皮質へ与える生理学的機序の検討」に関する研究を進める予定である。特に、どのような刺激の付加が、主観的感覚および大脳皮質抑制系へ影響を及ぼすのか検討したい。さらに、これらの刺激を用いたリハビリテーション戦略に関しても検討していきたい。
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| Causes of Carryover |
本年度は、研究代表者の所属機関の異動があった。それに伴い、当初の資金計画との差が生じた。アイソレータなどの新たな研究環境で必要となった機器の購入に費用を捻出した一方、環境整備に時間がかかり、計測に関わる謝金等で不使用額が生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、主に新たな研究環境の整備、国内学会旅費に予算を使用した。次年度は、主観的感覚計測機器や消耗品の購入、国内外学会旅費、研究協力者への謝金、論文投稿費等への計上を予定している。
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