2016 Fiscal Year Research-status Report
福祉・介護機器における対象者の最適補助量・最適タイミングの定量的推定手法の確立
Project/Area Number |
15K16404
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
井上 淳 東京電機大学, 未来科学部, 助教 (20609284)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 情報工学 / 運動解析 / ベイジアンネットワーク / 福祉機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,計測が容易なパラメータのみを用いた筋活動の推定,及び筋活動量変化原因の推定手法を時系列的な変化にも対応させることで,「福祉・介護支援機器における,補助の最適量及び最適タイミングの定量的な推定手法の確立」を行うことを目的としている。 平成28年度は、福祉・介護支援機器における,補助の最適量及び最適タイミングの定量的な推定が可能かどうかを検討する事を目指して以下の研究を行った。 モデル構築に必要なパラメータ探索を行って補助量推定モデルを構築する事を目指し、立ち上がり動作よりも明確に補助具の影響が出やすい歩行動作を対象として動作解析を行った。動作を絞り込むと、筋活動と、外力・姿勢の関係性が一対一に対応することから、筋電・足底圧・関節角度を計測項目とし、6箇所に分割した足底圧と股・膝・足の関節角度から、筋活動量の推定を行うベイジアンネットワークモデルを立てた。 歩行時動作に補助具を用いた際、その補助具の条件により、歩行に関わる筋に与える影響の計測および解析を行うことが出来た。また、歩行層ごとにその与える影響の因果関係が変わることから、時系列的な因果関係の変化の推定を行った。これにより、支援機器によって、そして補助タイミングごとの必要な補助量の関係性を導くことが出来た。 平成29年度は、具体的にどのタイミングで補助を行う補助具が必要かを推定する事を目指し、補助具の条件をベイジアンネットワークに組み込んだ、人体-補助具一体のモデルを組む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は立ち上がり動作を対象として検討を行う予定であったが、立ち上がり動作は同じ支援機器を用いても、立ち上がり時の動作に個人ごとの特徴が大きく出てしまい、支援機器自体の効果と個人ごとの特徴を切り分けることが困難であったことから、歩行動作を対象とした検討を行った。 歩行時動作に補助具を用いた際、その補助具の条件により、歩行に関わる筋に与える影響の計測および解析を行うことが出来た。また、歩行層ごとにその与える影響の因果関係が変わることから、ベイジアンネットワークを用いた時系列的な因果関係の変化の推定を行った。これにより、支援機器による補助の大きさ、そして補助タイミングごとに必要な補助量の関係性を導くことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、補助を行うタイミングと、その補助量を決定するため、補助具の条件を組み込んだ、人体と補助具を一体としたベイジアンネットワークモデルを組む予定である。このシステムを用いて最適と判断された支援機器を用いた動作を行い、モデルの推定負荷・補助量と、実際の負荷・補助量を比較することで研究手法の有効性を示す。本研究により、三次元運動解析器・床反力計等の大規模な装置の利用無しに、支援機器を用いた際の人体の負荷軽減、および残存能力への適切な負荷がかけられるかを推定することを目指す。
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Causes of Carryover |
1万円以下の端数であり、細かい物品での使い切りを行わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越額は1万円以下の端数であることから、当初の計画通り予算の執行を行う。
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