2015 Fiscal Year Research-status Report
群衆の流れと心理的対人距離を考慮した高齢者の安全安心な歩行案内
Project/Area Number |
15K16409
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
村松 聡 東海大学, 情報理工学部, 講師 (70733385)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | サービスロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,群衆の中において、周囲の歩行者の流れに乗ることで安全安心に歩行案内誘導を行うことを目的に研究活動を行っている.当該年度は,まず実験機材の基礎となる歩行支援機のハードウェアの作成を行った.作成した歩行支援機は市販の車いすをベースに自律走行機能を追加したものであり,入力された経路に応じて自動走行可能な機能を有している.これを踏まえて、当該年度はさらに以下の項目の研究を実施した. 1.歩行支援機の状態推定に関する研究:歩行支援機(以下、ロボット)が歩行者の流れに応じて目的位置まで案内誘導を行うためには,ロボットが環境中においてどのような状態(位置姿勢)であるか把握することが不可欠である.本項目では,ロボットに搭載したLIDARで計測した周囲の空間情報に基づいた状態推定機能の開発を行った.本研究により群衆内においても高速で安定した状態推定を実現した. 2.歩行者の進路モデルの検討:ロボットが歩行者の流れにのって走行するためには,歩行者がどのような経路で歩行していくのかを予測することが重要である.本項目では,実際の環境にて歩行者の補講経路の傾向を計測することで、歩行者の進路を確率分布としてモデル化した.作成したモデルより歩行者の経路も考慮したロボットの走行経路生成をシミュレーション実験により確認し,より無駄なく経路を生成できることを確認した. 3.歩行者の検出方法の検討:実施項目2の機能に基づいて,ロボットにより走行案内を行うためには,周囲の歩行者の検出が必要不可欠である.本項目ではロボットに搭載したLIDARの三次元情報から歩行者の特徴を抽出することで,歩行者の検出および追跡を行う手法に関する検討を行った.これにより簡単な環境において安定して歩行者を検出、追跡できることを確認にした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究において、実験機材のベースとなる歩行支援機のハードウェアの開発は終えている. 本研究では、歩行者の検出および進路予測など支援機となるロボット周辺の環境をリアルタイムで三次元的に計測することが必要不可欠である. このため、本研究では外界計測センサとしてVelodyne社の全周位三次元LIDARであるvlp16を選定し、業者に対して発注をかけていたがこちらの製品が全世界的に在庫が不足しており,当初の予定より大幅に納品が遅れる事態となってしまった. このため,当初予定した群衆計測の実験が開始できず、研究計画に支障が出てしまっている状況である. 現在は,無事当該センサは納品されており,計画の遅れを取り戻すべく急ぎ実験中である,
|
Strategy for Future Research Activity |
計測装置の納品遅れにより当初の計画よりも遅れているが,実験に用いるハードウェアの作成、計測機器の準備はできており,また本研究の目的を実施するための基礎的な制御のための要素技術は研究開発できているため,今後は実際の街中で群衆内のデータをより大量に計測収集することで,これまでに作成した歩行者モデルを改良して,より確実に歩行者のダイナミクスを表現できるモデルの改良構築に努める. 構築したモデルに基づいて,案内誘導のためロボットの走行経路の生成をシミュレーションにより確認し,その効果を検証する. 検証結果により問題点の洗い出しを行い,実機に実装することで実環境での実証実験につなげることで,提案手法の検証を行う.
|
Causes of Carryover |
当該年度において、本来ハードウェア開発に必要な機材として,高性能かつ高額なモータおよびモータドライバを予定していたが,歩行支援機として用いるハードウェアに必要な性能を再計算した結果、より安価なもので十分に要求仕様を満たせることが分かり,かつ大学の研究科機関を通じて購入することで大幅に割引が発生して購入できることが分かったため,当該助成金が発生した次第である,
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該年度で生じた次年度使用可能な助成金の使用計画としては高性能GPSの導入に充てる予定である. 当該年度で開発した要素技術によりロボットの状態推定が可能であるが、周囲に有意な固定物の存在しない環境では状態推定できないという問題がある.これを解決するための手段および研究開発済みである状態推定機能を補完するためのセンサとしてロボットの位置を測位可能なDGPSを導入する.
|
Research Products
(4 results)