2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis and Modeling of the Dynamics of Sleep Stage Transitions in Humans
Project/Area Number |
15K16416
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岸 哲史 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 助教 (70748946)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 睡眠 / 睡眠段階遷移 / 個人差 / 超日リズム / モデリング / 加齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、睡眠段階の遷移現象に焦点を当て、睡眠の動的制御機序の一端を解明することを目的とした。主な研究成果は以下の3点にまとめられる。 1)健常者を対象とし、睡眠動態の個人差について検討した。まず、通常睡眠を記録する基準夜及び断眠後の睡眠を記録する回復夜で構成された全8夜のデータを用いて、各睡眠段階遷移の生起回数の級内相関係数を計算した。その結果、主な睡眠段階遷移について級内相関係数は全て有意であり、睡眠段階遷移動態には安定かつ頑健な個人差が存在することを示した。また、独立した3つの基準睡眠データセットを分析し、睡眠時間と睡眠の連続性の間に有意な正の相関があることを明らかにした。このことから、睡眠時間の個人差を生み出す機序の背後には睡眠の連続性を制御する過程が存在することが示唆された。 2)一般的に約90分周期とされる睡眠の超日リズムの生成機序について検討するために、シミュレーション研究を行った。その結果、各睡眠段階間の遷移確率と各睡眠段階の持続時間分布の関数形のみの情報から、睡眠の超日リズムの分布の中心位置を約90分として再現できること、またノンレム睡眠内での浅睡眠-深睡眠間の遷移確率を増加させると超日リズムも延長することを示した。このことから、超日リズムの生成機序の背後には睡眠段階遷移現象が存在することが示唆された。 3)加齢が睡眠の動的構造に及ぼす影響について検討した。その結果、高齢者は若年者と比較して深睡眠の連続性が有意に低下しており、その低下の程度と空間探索記憶課題の成績の間には有意な負の相関があることを明らかにした。さらに、健常高齢者では、脳脊髄液中のβアミロイド濃度と深睡眠の連続性やパワーの間に負の関係があることを明らかにした。このことから、加齢による睡眠徐波生成機構の減弱化はβアミロイドレベルの増大をもたらす可能性があり、記憶力の低下と関連することが示唆された。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Reduced slow-wave sleep is associated with high cerebrospinal fluid Aβ42 levels in cognitively normal elderly2016
Author(s)
Varga AW, Wohlleber ME, Gimenez S, Romero S, Alonso JF, Ducca EL, Kam K, Lewis C, Tanzi EB, Tweardy S, Kishi A, Parekh A, Fischer E, Gumb T, Alcolea D, Fortea J, Lleo A, Blennow K, Zetterberg H, Mosconi L, Glodzik L, Pirraglia E, Burschtin OE, de Leon MJ, Rapoport DM, Lu SE, Ayappa I, Osorio RS
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Journal Title
Sleep
Volume: 39
Pages: 2041-2048
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Effects of aging on slow wave sleep dynamics and human spatial navigational memory consolidation.2016
Author(s)
Varga, A. W., E. L. Ducca, A. Kishi, E. Fischer, A. Parekh, V. Koushyk, P. L. Yau, T. Gumb, D. P. Leibert, M. E. Wohlleber, O. E. Burschtin, A. Convit, D. M. Rapoport, R. S. Osorio, I. Ayappa.
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Journal Title
Neurobiology of Aging
Volume: 42
Pages: 142-149
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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