2016 Fiscal Year Annual Research Report
Changes in F-wave and somatosensory evoked potential with regulation of autonomic nervous system
Project/Area Number |
15K16420
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Research Institution | University of Human Arts and Sciences |
Principal Investigator |
高原 皓全 人間総合科学大学, 人間科学部, 助教 (20641327)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 誘発筋電図F波 / 体性感覚誘発電位 / 自律神経系調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ヒトの骨格筋収縮調節に及ぼす自律神経系調節の影響について、誘発筋電図および誘発脳波を用いて明らかにすることとした。平成28年度は、7名の健康な成人男性を対象として、寒冷昇圧試験時における心拍数、心臓自律神経系調節、血圧、誘発筋電図F波(F波)、体性感覚誘発電位(SEP)の変化について検討した。被験者は、水への手関節部までの浸漬を行った。水温条件は5℃条件および32℃条件とした。測定項目は、心拍数、心臓副交感神経系調節、血圧、F波、SEPとした。左手の正中神経を手根部で最大上刺激にて経皮的に電気刺激し、その際のF波およびSEPを記録した。電気刺激幅は0.2ms、刺激頻度は2Hzとした。F波は、電気刺激と同側の短母子外転筋から導出した。SEPは刺激側の手の感覚領域であるC4電極(国際10-20法)の位置から2cm後方のC4'電極から導出し、120回分のデータを加算平均した。F波の分析項目は出現頻度とした。SEPの分析項目はN20振幅とした。平成28年度の主な知見は、①心拍数、血圧は32℃条件と比較して5℃条件において有意に高値を示したが、心臓副交感神経系調節には変化がみられなかったこと、②F波出現頻度およびN20振幅は変化がみられなかったことであった。平成28年度の知見から、寒冷昇圧試験によって心拍数、血圧などの循環器系指標が応答する一方で、F波出現頻度、N20振幅に違いがみられないことが明らかになった。寒冷昇圧試験によって生じる自律神経系調節の変化と運動出力調節、感覚入力調節は連動しないことが明らかになった。
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