2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K16430
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
久保 研二 島根大学, 教育学研究科, 講師 (90594698)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | リフレクション / 体育科教育 / 教員養成の質保証 / ポートフォリオ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,ALACT モデルを利用し,小中学校教員養成における保健体育科教育法の授業改善を図るとともに省察的授業モデルを構築することを目指している。 平成28年度(2年目)は,まず,前年度に引き続き,国内外の保健体育科教育法の授業ならびにポートフォリオの活用に関する先行研究や文献のレビューおよび調査を行った。調査の具体的内容としては,国内調査としては,保健体育科教員養成を行っている大学教員に聞き取り調査を行った。さらに,いくらかの大学の取り組みに関しては,訪問調査や実際の授業観察を行った。国外調査としては,The University of Melbourneに訪問調査を実施した。その成果として,The University of Melbourneにおける教員免許資格の獲得に向けた取り組みや教員養成の質保証に向けた取り組み,ポートフォリオのシステムについて意見交換を行い,省察的授業モデル開発に向けて有用な情報を得ることができた。 また,World Association of Lesson Studies (WALS) International Conference 2016に参加し,成果を発表するとともに省察的授業モデル開発に向けた情報収集を行った。 次に,前年度の調査をもとに,学生のリフレクションを促す保健体育科教員法の授業内容,構成について検討し,保健体育科教育法の授業改善のPDCA サイクルの2サイクル目を実施した。また,前年度と同様に,次年度の授業改善のために,授業の効果測定として,授業受講者に対するアンケートならびにインタビューを実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度の研究課題のうち,学生のリフレクションを促す保健体育科教育法の授業内容,構成について検討し,授業改善を図るという研究課題については,PDCAサイクルの2サイクル目を順調に実施することができた。 また,国内外の保健体育科教員法の授業についての調査ならびにポートフォリオの活用についての調査を行うという研究課題も,おおむね順調に実施することができた。平成27年度に実施できなかった国外調査に関しては,The University of Melbourneへの訪問調査やWALS 2016に参加することで,省察的授業モデル開発に関する有益な情報を得ることができた。しかし,従来の計画では,平成28年度においても国外調査を実施する計画であったため,その部分まで行うことができなかった。 以上のことから,保健体育科教育法の省察的授業モデルを構築するという,本研究の目的の達成に向けて「やや遅れている」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度(3 年目)は,国内外の保健体育科教育法の授業についての調査ならびにポートフォリオの活用についての調査という研究課題に関して,従来平成28年度に実施予定であった国外の先駆的な取り組みを行っている大学への訪問調査を行い,情報・資料収集を行う。 さらに,学生のリフレクションを促す保健体育科教育法の授業内容,構成について検討し,授業改善を図るという研究課題を遂行するために,体育教員養成における授業改善のPDCA サイクルの3 サイクル目を実施する。 その後,今までの研究成果をもとに保健体育科教育法の省察的授業モデルの構築を行う予定である。また,本研究の成果について体育関連学会での発表や論文投稿を通じて広く社会に発信していく予定である。
|
Causes of Carryover |
平成27年度に行う予定であった国外調査分については,平成28年度に実施することができた。しかし,従来の計画において,平成28年度においても国外調査を実施する計画であったため,その部分までの調査を行うことができなかったことが理由である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については,今年度予定していた先駆的な取り組みを行っている国外の大学を対象とした訪問調査を実施し,計画的に執行する予定である。また,そこで得られた資料の整理やデータ入力の謝金としても執行する予定である。この他に,学会発表や論文投稿など,成果発信に予算を執行する。
|