2017 Fiscal Year Annual Research Report
A case study on the teaching method of the simulated class in physical education focusing on the reflection of supervisor
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15K16435
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
村井 潤 武庫川女子大学, 文学部, 講師 (90610890)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 省察 / 問題の設定 / 問題の枠組み / 指導方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小学校教員養成段階において体育授業に関わる「問題の設定」を行う力を身に着けさせる指導の在り方を検討するために、「指導教員の『問題の枠組み』」と「学生の『問題の枠組み』の組み換え指導の実態」を明らかにすることを目的とした。 平成29年度は、まず、前年度までに収集した資料を用いて、学生の「問題の枠組み」を明らかにした。分析の対象は、学生が協議会の際に記述したホワイトボードの記述と指導教員が模擬授業中に作成した観察録であった。学生のホワイトボードの記述の分析の結果、学生は大きく分けて「授業」「教師」「学習者の安心感」「学習集団」「運動」「教具」という6つの項目について記述していた。そして、これらの項目のうち、「運動」に含まれる「教材の量」という項目に着目して、この項目に対する指導教員の指導について分析を進めた。 分析の結果、指導教員は協議会においてホワイトボードに記述された内容に応じて指導を行っているのではなく、指導教員自身が模擬授業の観察中に行った「問題の設定」を学生の記述に関連付けて指導していたことが明らかになった。これは、学生がその事項を「問題」であると判断した根拠とは異なる文脈から再解釈し、異なる「問題」として再提示する指導であった。このような指導を受けた学生は、以後の協議会において同様の用語を用いて「問題」を設定しており、指導教員の指導は一定の成果を挙げていると解釈することができた。 この結果から、指導教員が学生の設定した「問題」と指導教員自身が設定した「問題」を関連付けて指導することは、学生の「問題の枠組み」の組み換え指導の方法として一定の成果を挙げることができると考えられた。
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Remarks |
木原成一郎・大後戸一樹・齊藤一彦・岩田昌太郎・久保研二・村井潤・加登本仁・嘉数健悟(2017)校内研修として行われる体育授業研究の役割:日本における授業研究の役割と中国での授業研究の現状と課題,日本体育科教育学会第22回大会.
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Research Products
(1 results)