2015 Fiscal Year Research-status Report
体育授業の実践を担う教師のライフステージに応じた力量形成に関する実証的研究
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15K16436
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Research Institution | Okinawa University |
Principal Investigator |
嘉数 健悟 沖縄大学, 人文学部, 准教授 (50612793)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教師教育 / 力量形成 / 体育教師志望学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の目的は,体育教員養成カリキュラムに関する国内外の文献や研究資料などをもとに,体育授業の構想や実践に関わる教師の知識,思考,信念,授業観,および教師の専門性向上などに関与する研究の成果を把握することであった。その中で,以下の二点を中心に取り組んだ。 ①文献調査及び論点整理 体育教師に求められる力量と注目すべき研究領域について検討し,体育教師の力量形成に関する先行研究の成果と解明されるべき課題を明らかにした。その中で,教師の「信念」は,教師としての成長や授業実践と大きく関わっており,教員養成で形成,変容し,入職してからも変容していくものと考えられた。また,教師の「信念」は,教師自身がいかに自己の教育実践を振り返り,いかに相対化するのかが教師が成長する一つの契機になるのではないかと考えられた。 ②養成段階から初任期までの力量形成について 教師を目指す学生が教員養成から初任期までにどのように力量形成を図るのかについて検討し,その中で,教員養成段階では,「教師としての成長・発達は,むしろ教職に就いてから本格化する」(姫野,2013)ことを踏まえ,自己の力量形成に向けて「学び続ける教師」になるための土台を作ることも重要であることを指摘した。また,わが国では,初任期の教員でも大目に見てもらうのではなく,即戦力として働くことが求められている(永田,2007)ため,学部4年間での基礎的な教養と専門性を生かし,実践的な指導力,展開力を備え,即戦力として働くことが求められていることを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,文献調査及び論点整理を主な目的としており、おおむね順調に研究を進めることができた。しかし,もう一点の目的である国外の調査(シンガポール)を実施することができなかった。その理由としては,スケジュールの調整がうまくいかず,調査までに至らなかったからである。これまでの調査において人脈は作れているので,次年度以降にしっかりと調査を行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度以降は,今年の研究において明らかになった調査を踏まえ、養成段階から初任期における体育教師の力量形成の実態について事例的に調査を実施していく。また,得られた研究成果を論文としてまとめ,関係する雑誌等に投稿する予定である。さらに,国外の事例についても調査を継続して行い,我が国への示唆を得たいと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた大きな理由は,海外調査が実施できなかったことが大きな要因である。また国内学会での発表も予定していたが,台風による飛行機の欠航があり,予定通りの実施が出来なかったことも挙げられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度は,すでに調査の内諾をとっており,計画通り実施できる予定である。
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Research Products
(3 results)