2016 Fiscal Year Research-status Report
アルペンスキー競技におけるトップレベル選手を対象としたタイム分析に関する研究
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15K16439
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
近藤 雄一郎 北海道大学, 教育学研究院, 専門研究員 (60646579)
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2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | アルペンスキー競技 / 回転競技 / タイム分析 / 競技力向上 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、2017年2月に調査を行った国際的なアルペンスキーの競技会であるワールドカップ回転競技（苗場スキー場〔新潟県〕開催）の分析を行った。分析内容としては、スタートからゴールまでを斜面毎に区分した区間タイム分析、滑走ライン分析、技術分析を実施した。本競技会には世界トップレベルの選手が出場することから、日本人選手と比較検討することで、日本人選手の競技力向上に向けた重要な知見が得られると考えられた。
タイム分析の結果、海外選手と日本人選手との間には全ての斜面区間で有意な差が認められたが、特に急斜面区間に増設された人工的なウェーブ（起伏）の箇所でタイム差が大きく開く傾向が明らかとなった。滑走ライン分析の結果、海外選手と比較して日本人選手は、旗門の横及び下部でターン弧が大きく膨らむ傾向が明らかとなった。そして、技術分析の結果、ゲートアタック時の胴体（胸）の向き・ゲート通過後のスキー操作・切り換え時のポジショニング（臀部の位置）に関して、差異があることが明らかとなった。これらのことから、日本人選手の課題として「斜面変化及び起伏（ウェーブ）への対応」「斜面・ゲートセッティングに応じた高い滑走ラインの維持」の2点があげられた。これら課題を克服するための技術的課題として、「旗門上部でのスキーの方向付け・荷重始動」「安定したポジショニング・バランスの保持」「外脚主動によるスキー操作」「スキーの撓みを利用した素早い切り換え動作」があげられた。以上の結果は、日本人選手が競技力を向上し、国際的な大会で上位に行くための重要な課題として位置づけられる。
また、平成28年度には、平昌オリンピックの会場（ヨンピョンリゾート〔韓国〕）で開催されたプレ大会の現地調査も実施したことから、調査内容の分析を進め、オリンピックに向けた日本人選手の競技力向上に貢献する研究を行う。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、前年度に調査を行ったワールドカップのレースを対象として、タイム分析を実施した。前年度はワールドカップの下のカテゴリーであるコンチネンタルカップ（Far East Cup）のタイム分析を実施し、その分析手法を応用して世界トップレベルの選手と日本人選手の比較分析を行い、トップレベル選手の技術的諸特徴や日本人選手の競技力向上のための課題を明らかにすることができた。
また、当該年度においては、2018年に開催される平昌オリンピック（韓国）のアルペンスキー競技開催地で行われたプレ大会の現地調査を実施し、競技の様子を撮影した映像データを取得することができた。出場した選手の技能レベルはオリンピック出場選手と比較すると劣るが、プレ大会ということでオリンピック本番と同様のコースコンディションでレースが行われたことから、平昌オリンピックに向けた有効な知見を得ることができると考える。今後は、この現地調査での映像をもとに平昌オリンピックに向けてレース分析を進めていきたいと考える。
以上のことから、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に平昌オリンピック会場で開催されたプレ大会の映像データは取得済みであるため、本データをもとにタイム分析及び技術分析を進める工程を中心に平成29年度の研究を遂行する。これらの分析結果をもとに、平昌オリンピックのレース会場におけるレースパターンの傾向等について明らかにし、研究成果を学術論文として発表する。また、研究成果を全日本スキー連盟や国立スポーツ科学センター連携して選手やコーチへフィードバックすることで、平昌オリンピックに向けた日本人選手の競技力向上に貢献する。
そして、2018年開催の平昌オリンピックにおける競技データの収集・分析を実施し、これまでの研究成果を研究発表及び学術論文として公表するとともに、指導現場にフィードバックする資料を提供する。
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Research Products
(4 results)
