2018 Fiscal Year Annual Research Report

Research on time analysis of top racers in alpine skiing competition

Research Project

Project/Area Number	15K16439
Research Institution	Hokkaido University
Principal Investigator	近藤雄一郎北海道大学, 教育学研究院, 専門研究員 (60646579)
Project Period (FY)	2015-04-01 – 2019-03-31
Keywords	アルペンスキー競技 / 回転競技 / タイム分析 / 競技力向上
Outline of Annual Research Achievements	平成30年度は，アルペンスキー競技の回転種目を対象として、2017年1月に調査を行ったオリンピックテストイベント（ファーイーストカップ）と2018年2月に開催された平昌オリンピックでのタイム分析を実施し，両者の比較からオリンピック本大会に向けたテストイベントにおけるレース分析の有効性について検討を行った。タイム分析の結果，オリンピックテストイベントとして位置づけられたファーイーストカップに出場する男子選手群（以下、FEC）とオリンピックに出場する男子選手群（以下、OWG-M）及び女子選手群（以下、OWG-L）の各分析対象群間で全斜面及び各区間タイムで有意な差が生じていた。その要因として各レースにおけるゲートセッティングの違いや出場する選手の競技能力の違いがタイム差に影響していると考えられた。また，各分析対象群の全斜面タイム及び各区間タイムの相関関係について検討した結果，全ての分析対象群において全斜面タイムと各区間タイムの間に有意な相関関係が認められた。このことから，オリンピックアルペンスキー競技回転種目で使用されたYongpyongのコースにおいて，スタートからゴールまでをより早いタイムで滑走するためには,全ての斜面でミスなく滑走することが求められる特異性があったことが推察され，予め競技レベルの異なるカテゴリーのレース分析を行っておくことは，その競技コースを使用したレースの戦略を練るための手立てとして重要であることが示唆された。そして，FECとOWG-Lの相関関係の傾向が類似していたことから，本研究の事例からは，出場する選手の性別や競技レベルのカテゴリーは異なるが，FECのタイム分析結果はOWG-Lの競技に対して参考になる可能性があることが明らかとなった。