2016 Fiscal Year Annual Research Report
Inspection and establishment of the running point
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15K16454
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
松村 勲 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 講師 (30404544)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 陸上競技中長距離走 / トレーニング評価 / 走速度 / 走行距離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,陸上競技中長距離走におけるトレーニング評価のひとつとして,従来からある走行距離に,走速度毎のポイント係数を乗じ評価する「ランニングポイント」について、坂路対応や他種目での対応を検討し,ランニングポイントを実践で役立つ指標にまで構築することを目的とした。本研究までに,筆者らは大会の5000m競走の競技記録と大会まで1ヶ月のランニングポイントの間に,有意な相関関係があり,またその相関関係は,走行距離のそれよりも強いものであることを明らかにした。本研究においては,中長距離走のトレーニングにおいて実施される坂路でのトレーニングのランニングポイントを確立するため,平地での心拍数と坂路での心拍数を比較・検討することにより,そのポイントを明らかにしようと試みた。実際には,大学男子中長距離走選手8名を対象に,トレーニング時に心拍計機能付きの腕時計を装着してもらい,トレーニング時(平地および坂路)の心拍数を測定し,そのデータ収集を行った。その傾斜は3~12%であった。しかしながら,約1年6ヶ月間の測定で得られたデータでは,事例的に坂路と平地の関係を証明できる範囲内であり,統計的な実証はできなかった。そこで,再度大学男子中長距離走選手7名を対象に,トレッドミルを用いて,傾斜0%,1%,3%,5%で1㎞あたり5分,4分40秒,4分20秒,4分,3分40秒,3分20秒の走行速度で走行を実施してもらい,その際の心拍数の変動から平地と坂路の関係を探った。現在の結果としては,今回実施した傾斜率において,1%から2%ずつ傾斜が上がるにつれ約20秒の心拍数のズレがみられることがわかった。つまり,平地および傾斜1%での1㎞あたり3分20秒ペースは,傾斜3%で1㎞あたり3分40秒,傾斜5%で1㎞あたり4分のペースが対応する可能性が窺えた。なお,現在更なる分析を実施し,論文としてまとめる作業中である。
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