2016 Fiscal Year Research-status Report
筋サイズと全身持久力を同時改善する新たなトレーニング方法の開発
Project/Area Number |
15K16460
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
尾崎 隼朗 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (00748428)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自転車運動 / 運動強度 / 筋肥大 / シグナル伝達 / 乳酸性作業閾値 / 血中乳酸蓄積開始点 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究目的は、異なる強度でのサイクリング運動が筋肥大に与える影響の違いについて解明し、筋肥大のために必要な『トレーニング強度』について明らかにすることであった。そこで、サイクリング運動の強度の違いが筋肥大に関連する細胞内シグナル伝達経路の活性化に与える影響について検討した。 若年男性6名(年齢:28±1 歳、VO2max:45.3±1.6 mL/kg/min)は、事前の負荷テストにより決定した乳酸性作業閾値(LT)もしくは血中乳酸蓄積開始点(OBLA)に相当する運動強度での20分間のサイクリング運動を約1ヶ月の期間を空けてそれぞれ実施し、運動前、運動30分後(Ex30)、60分後(Ex60)に筋サンプルを採取された。 超音波Bモード法で評価した大腿前面の筋厚は両条件で運動直後に有意(Time effect:p<0.01)に増加した。S6K1(【LT】Ex30:3.3±0.9倍、Ex60:12.2±5.3倍/【OBLA】Ex30:5.0±1,9倍、Ex60:10.2±3.0倍)及びERK1/2(【LT】Ex30:1.5±0.2倍、Ex60:4.7±1.3倍/【OBLA】:Ex30:3.3±0.7倍、Ex60:4.1±1.0倍)のリン酸化は両条件で運動後に有意(Time effect:p<0.05)に増加した。 結論として、LT強度以上でのサイクリング運動によって、その強度にかかわらず、mTOR及びMAPKシグナル伝達経路が活性化される可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の研究では、異なる強度でのサイクリング運動が筋肥大に与える影響の違いについて明らかにすることを目的としていた。当初の仮説通り、乳酸性作業閾値に相当する強度でサイクリングを実施すれば、筋肥大に関連するシグナル伝達経路が活性化することを明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の研究結果から、乳酸性作業閾値に相当する強度でサイクリングを実施すれば、筋肥大に関連するシグナル伝達経路が活性化することが明らかとなった。そこで本年度の研究では、この強度条件でトレーニング実験を実施した場合に、どの程度の期間で筋肥大が認められるかについて明らかとする。
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