2016 Fiscal Year Research-status Report
ランニング障害予防を目的とした接地方法の提案:関節のてこ比に着目して
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15K16462
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
橋詰 賢 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人間情報研究部門, 産総研特別研究員 (50727310)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 逆動力学 / アキレス腱張力 / 関節間力 / モーメントアーム |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の研究にて,”前足部(つま先)から接地することで,後足部(踵)から接地するよりもランニング接地初期における地面反力(足が地面から受ける力)が減少する”と報告されており,障害発症予防を目的とした研究で注目が集まっている.しかし先行研究では腱や骨といった実際に障害が発症する部位に作用する力の評価は行えておらず,地面反力のみの評価に留まっている.そこで本研究では異なる接地方法が足部周りの腱および骨(アキレス腱および脛骨)に作用する力へ及ぼす影響について明らかにすることを目的とした. 前年度の成果報告にて,一定の走速度条件においてアキレス腱および脛骨に作用する力は前足部接地で最も大きく,次いで中足部接地,後足部接地の順で小さいことを示した.関連研究成果は,今年度,国際誌へ2本論文として掲載された.また今年度は異なる走速度条件下において接地方法の違いがアキレス腱および脛骨に作用する力へ及ぼす影響について検討を行った.ジョギングペース(3.3 m/s)およびレースペース(5.6 m/s)にて,前足部接地および後足部接地を行った際のデータ収集を行い,上記と同様のデータ処理・分析を行った.その結果,走速度の増加に伴いアキレス腱および脛骨に作用する力も増加したが,その差分は接地方法間の差分よりも小さいことが明らかとなった.この研究成果は今年度に国際学会等で発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画では,平成28年度内に論文執筆を終え,国際誌への投稿を行う予定であった.しかし前年度より計画以上のペースで研究が進んだことから,平成28年度内に論文の掲載まで到達することが出来た.また計画されたデータ収集も平成28年度内に全て終了し,データ処理や分析も当初の計画以上に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度までで,全てのデータ収集が完了しているため,今年度はデータの処理・分析,論文執筆を行い,国際誌への成果発表を行う.
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Causes of Carryover |
初年度での申請者の所属機関変更につき,当初購入予定であったデータ収集用の機器購入が一部で不要となったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データの処理および分析作業の効率化を進めるため,計算プログラム開発用ソフトウエアの購入等に費用を充てる.
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